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Windows Info 第500回

Windows 11 Ver.25H2が完成した

2025年10月05日 10時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII

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Windows 11 Ver.25H2の提供が開始される

 10月1日(現地時間9月30日)に、Windows 11 2025 Update(Windows 11 Ver.25H2)の提供開始がブログで公開された。Windows 11 Ver.24H2が動作しているマシンであれば、これまでのWindows Updateで25H2が分割して配布されており、最後にアップデートで受け取る「イネーブルメントパッケージ」を受信することで、24H2は25H2として動作するようになる。この仕組みのおかげで最後のアップデートは短時間で終了する。

Windows

Devチャンネルプレビュー版で実行したWinVer.exe。次のプレビューが配布されているため、OSビルドの末尾が6760となっている。

 Windows Update経由で配布されるため、25H2へのアップデートについて何かする必要はない。しかし、Windows 11 Ver.24H2の導入時のトラブルを考えると、早期の導入にはリスクが伴う。そこで気になる人は「設定」→「Windows Update」→「その他のオプション」→「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」をオフにしておこう。これで、優先的な配布の対象から外れ、アップデートに対して「ダウンロード&インストール」を確認してから、アップデートがされるようになる。

 この設定がオンの場合、優先的に25H2のアップデートが配布される。25H2へのアップデート(イネーブルメントパッケージ)はKB5054156である。このアップデートが適用されるには、今年8月から配布されているKB5064081 (OS ビルド 26100.5074)がインストールされている必要がある。8月から配布されているのは、プレビューが進んでいたため。つまり、24H2で最新版になっていれば、アップデートの準備が整っていることとなる。

 最初の25H2は、OSビルド26200.6725で、イネーブルメントパッケージが適用されていない場合には、26100.6725となる。なお、一般ユーザー向けには、10月のBアップデート(米国時間10月14日)から配布が始まる予定だという。

 Windows 11 Ver.25H2のサービス期間は24ヵ月で、25H2は2025年9月30日(米国時間)が開始日となり、Home/Proエディションは、2027年の10月12日(米国時間)までとなる。

 なお、Windows 11 Ver.23H2のサービス終了が今年(2025年)11月11日までとなっており、24H2への強制アップデートがまもなく開始される。Safe Holdによる配布停止がなければ、23H2は24H2へとアップデートされる。

25H2の新機能はCopilot+ PC機におけるものが中心

 Windows 11 Ver.24H2と同じく、今回のアップデートもCopilot+ PC(高性能NUP)向けの機能が中心である。その点では、非Copilot+ PCでは、「マイナーアップデート」感がある。とはいえ、不具合の修正などを考えると、アップデートすること自体には意味がある。

 ただし、25H2の新機能は、一度にすべてが追加されるわけではなく、機能によっては、25H2にアップデート後に段階的に配布されるものがある。

 Copilot+ PC関連の高性能NPUが必要な新機能としては主に以下のものがある。

Click to Do(米国/英語のみ)
Windows SearchのAI対応
Recallの強化
Windows設定エージェント(英語のみ)
Voice Access(日本語未対応) エクスプローラーの「AI Action」(右クリックメニュー、英語のみ)

がある。多くの機能が、Windowsの表示言語が「英語」(もしくは地域が米国)と若干の言語にしか対応しておらず、表示言語が「日本語」になっているWindows 11 Ver.25H2では、利用できない物が多い。

 日本語対応ができていない理由の1つは、ローカル推論用のPhi-Silicaが日本語対応してないことだ。中国語には対応できているようなので、日本語への対応も不可能ではないと思われるが、このあたりは、Microsoftの優先順位次第ということだろう。

 改良点もあるが、新機能は「クリックして実行」で、デスクトップに表示されているテキストなどを認識。AIを使い、対象や内容に応じた機能を右クリックメニューで提案する。

Windows

Windowsロゴキーを押しながらテキストをクリックすると「クリックして実行」が起動し、タスクバー上部に、ツールバーが表示され、テキスト部分の右クリックには、さまざまな処理の提案が並ぶ。ただし、現状日本語には対応していない

非Copilot+ PC対応の新機能は細かなものが多い

 高性能NPUを必要としない、どのPCにも追加される新機能としては、以下のものがある。それぞれ、前のバージョンと比較すると、少し細かい話にもなるので、今回は概要のみ示し、次回以降に詳しく見ていくことにする。

タスクバー改良
エクスプローラー改良
ウィジェット改良
Windows Snap改良
Windows設定ホームページ改良
PC Migration
Windows Hello改良
Windows Share改良

 なお、25H2から、「Windows PowerShell Ver.2.x」および「WMICコマンド」が削除された。現在、Windows 11に標準で添付されて「Windows PowerShell」として起動するのはVer.5.1で、2.0はかなり古いバージョンのため、スクリプトの互換性問題などで利用している場合を除けば、Windows PowerShell Ver.2.xが必要になる可能性はほとんどないだろう。

 WMICコマンド(WMIC.exe)は、「Windows Management Instrumentation(WMI)」用のコマンドラインツール。現在では、PowerShell/Windows PowerShellのWmiObjectコマンドやCim関連コマンドで代用が可能だ。過去に作成したBatchファイルなどで利用していなければ、使うことはなく、基本的には問題ないと考えられる。

 Copilot+ PCに対応した新機能が導入されることは否定する気もないが、CPU3種の状況を見るに、少し停滞感を感じる。また、ここに来て、言語による機能差が復活してきた感じもある。

 その一方で、たとえばデスクトップの強化などがあまり進んでいないように見える。たとえば、以前のようにタスクバーの位置を変更できるようにしてほしいという意見もよく見かける。ある意味「原状復帰」的な機能の実装に関しては、もう少し優先度が高くてもいいのではないか?

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