このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第548回
AIスマートグラス対決! HTC「VIVE Eagle」とシャオミ「Xiaomi AI Glasses」を比較した
2025年10月05日 12時00分更新
4万円台で決済もできる
シャオミ「Xiaomi AI Glasses」
シャオミの「Xiaomi AI Glasses」は中国のみで販売されているスマートグラスだ。価格は1999元(約4万2000円)からと、HTCやメタの製品と比べても安い。HTCのVIVE Eagleと同様に、カメラ、スピーカーを搭載しており、メガネ部分への表示には対応していない。
Xiaomi AI Glassesの重量はレンズなしで40g。ブラック、ブラウン、グリーンの3色展開だ。カメラは1200万画素を搭載しており、反対側にはLEDライトを内蔵する。詳細なスペックが公開されており、チップセットはSnapdragon AR1+、メモリー4GB、ストレージ32GB。バッテリーは263mAhで、最大8.6時間稼働する。さらにIP54の防水防塵に対応する。
左フレーム側には電源ボタンを搭載。右フレーム側にはカメラボタンや、フレーム(テンプル)部分のタッチ操作で音量のコントロールなどもできる。
充電はフレームの端がUSB Type-C端子になっており、そこに直接ケーブルを接続する。専用ケーブルが不要なのは便利だ。
スマートフォンアプリはシャオミの中国モデル向けとなっている。これはXiaomi AI Glassesが使うAIエンジンがシャオミ開発の「小愛同学」を使うためだ。対応言語は中国語のみ。アプリからは発生する音声の男女設定を複数から選んだり、モバイルペイメントの設定ができる。ただし、2025年8月末時点では、カメラを通してQRコードを見て支払いをする機能は使用できなかった。
装着感はこちらも良好だ。筆者はXREALやRokidのARグラスを使っているが、Xiaomi AI Glassesの重量はそれらの約半分。USBケーブルでスマートフォンと接続する必要もないため、取り回しも楽でよいと感じられる。
AI機能は日本人にはやや使いにくいが、そもそも中国国内販売の製品なのでこの部分は評価するものではない。AIを呼び出すときに「小愛同学(シャオアイ トンシュエ)」と語り掛ける必要があるが、中国語話者に取っては2フレーズで済むので難しくはない。
試しに中国語で「今日の天気はどうですか?」と音声で尋ねると、フレームのスピーカーから音声で回答が返ってきた。そしてこの会話は、スマートフォンアプリにチャット形式で保存される。HTC Vive Eagleも画面を撮影するのを忘れてしまったが、同様に音声チャットの履歴はテキスト形式で保存される。
音声の翻訳もやってみた。場所は深センの空港のカフェで、騒がしくはないものの、音楽が流れるなどある程度の音がある環境下だった。100文字程度の日本語を話してみたが、翻訳結果は良好。これもスピーカーとアプリでのテキスト表示で回答される。実際に外国人との会話で、どの程度使えるか試してみたい。
カメラは1200万画素と画質が公開されており、実際に撮影してみたが性能相応と感じられた。手元に持った小物などはピントが甘くなるが、ある程度離れた距離ならば記録用として十分使える。体感ではHTC VIVE Eagleと画質はほぼ同等だ。
動画の撮影もしてみたが、手振れ補正がないため首が動くような歩き方をすると、動画も結構ぶれる。このあたりは撮影に慣れが必要だ。
以下は作例だ。
便利な存在のAIグラスだが
課題はバッテリー持ち
2つのAIグラスを使って感じたのは、スマートフォンをポケットから取り出すことなく、声だけでAI機能にアクセスできる手軽さの利便性だ。目の前にあるオブジェクトや外国語も、AIグラスのカメラを通して手軽に調べたり翻訳もできる。
心配なのはいざ使おうと思ったときに、バッテリーが切れていること。バッテリーの持続性は実際にAI機能を使いこんでみなければわからない点だ。
Metaの製品や、Rokidがクラウドファンディングで予約を受け付けているグラスは、メガネの内側にHUDディスプレーを搭載しており、スマートフォンのアプリ画面に表示される内容を目の前で見ることができる。そのため利便性はさらに高いが、本体価格はより高くなり、バッテリーの持ちもどれくらいであるかは未知数だ。いずれにせよAIグラスはAI時代の新しいスマートフォンコンパニオンとしてこれからさまざまな製品が出てくるだろう。

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