Windowsには、継続が困難な「致命的」なエラーが発生することがある。もちろんWindows XPまでの頃に比べたら、発生比率は低くなったが、完全になくなったわけではない。
たとえば「BSOD」(Blue Screen of Death、いわゆる青画面)や最近の「緑画面」と言われるエラーだ。これは、カーネルがエラーからの回復が困難と判断するもの。設定によっては、メモリのダンプなども実施される。
また、「フリーズ」や「クラッシュ」と呼ばれるものもある。前者は、マウスカーソルやキーにまったく反応しなくなり、ハードウェアリセットが必要になる。後者は、いきなりPCの起動画面が表示され、再起動が開始される。
さらに「エラーループ」もある。これは、エラーメッセージや回復ダイアログなどが表示されるものの、エラーが回復せず、同じことを繰り返し、実質何もできなくなる。
筆者は、Windows Ver.25H2のプレビュー版(Devチャンネル)で、「エラーループ」を、24H2通常版で「フリーズ」を体験した。このときのエラー回復方法などについて解説したい。
Microsoftアカウントにログイン不可だったエラーループの例
ローカルアカウントを作成しておく
PCの1台でPINによるエラーが発生し、メインで使っているMicrosoftアカウントによるログインができなくなった。インストールしているWindows 11は、Devチャンネルのプレビュー版であり、再インストールしても実用上は問題がないのだが、ここは、あえてトラブルシューティングをして、回復方法を探ることにした。
具体的な現象としては、PIN入力・顔認識・指紋認識のどれでもログインエラーとなり、PIN入力に関しては、再設定を要求される。しかし、PIN再入力パネルはエラーですぐに閉じてしまい、PIN再設定エラーが再び表示される。
この原因はインターネット接続ができていなかったことにあった。Microsoftアカウントをユーザーアカウントとして利用する場合、一定期間ごとにMicrosoftアカウントサイトにアクセスされ、アカウントの正当性などがチェックされる。これは毎回ではなく、特に一定時間以上PCにログインをしなかった場合などに発生するようだ。
利用しているマシンは、プレビュー版のDevチャンネルなので、アップデートではなく、フルインストールが実行されることがあり、その際に、無線LANのアクセスポイントなどの情報が失われたと考えられる。
ログインパネルをよく見ていれば、画面右下にインターネット接続を表すアイコンが表示されていて、インターネット接続がないことがわかるのだが、このときにはそこまで気が回らなかった。
Windowsにおけるほとんどの機能は、ログインしてから利用可能で、こうした問題に対処するには、ログインに制限のないローカルアカウントを管理者ユーザーとして用意しておくしかない。
管理者としてログインさえできれば、さまざまな設定・操作が可能になる。インターネット接続も回復できるため、これによりMicrosoftアカウントでのログインもできるようになる。
ローカルアカウントは、「設定」→「アカウント」→「その他のユーザー」→「その他のユーザーを追加する」で作成するが、作成後「アカウントの種類の変更」を使って管理者にしておくことを忘れないようにする。また変更後に、1回はログインして、初期設定をすませておくと、エラー時にすぐに操作が可能になる。

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