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追加学習なしで深い洞察や創造的な視点を生み出す“知の増幅器” 「Happiness Planet FIRA」

正解のない経営課題に“600種類のAIエージェント”が議論して回答 日立らが新機軸のAI発表

2025年08月27日 13時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 日立製作所(日立)とグループ会社のハピネスプラネットは、2025年8月26日、600種類の専門性を持つAIエージェントどうしが議論して、深い洞察や創造的な視点を生み出す「自己成長型生成AI」を共同開発したことを発表した。

 ハピネスプラネットでは、この生成AIを活用した経営層や企画担当者向けのAIサービス「Happiness Planet FIRA(以下FIRA)」を同日より提供開始した。

 経営の現場では、リスク管理や投資判断、人財育成といった「正解のない課題」に日々直面している。こうした課題を解決するために、日立とハピネスプラネットが開発したのが、追加学習データを必要とせず、固有の事情に即した創造的な回答をする生成AIだ。

 FIRAは、LLMを活用して自己成長する、専門分野に特化したAIエージェントを600種類搭載している。両社が「異能」と呼ぶAIエージェントたちが、利用者が入力したテーマや課題に沿って、自律的に意見や提案を出し合い議論を交わす。

 さらに、議論の司令塔となるファシリテーターが、議論の方向性や場の盛り上がり、感情などを調整することで、異能たちは問いと思考をブラッシュアップしながら自己成長する。これにより、その会社の固有事情に沿った、深い洞察や創造的な選択肢を生成するとしている。

テーマに合わせ、600種のAIエージェント(異能)が熟議し、その場で自己成長する"FIRA" のイメージ

 600種類の異能には、専門的な財務ファイナンス知識を持つ「スーパーCFO」や、革新的な発想が得意な「Dr.革新発想」をはじめ、経営学、経済学、心理学、IR、財務、人財、データサイエンス、コンセプトづくり、ウェルビーイング、歴史、科学、思想、哲学などの専門性や価値観を持つAIエージェントが含まれる。

 さらには、実在のエキスパートとして、メンタルトレーナーの久瑠あさ美氏、ベアーズ取締役副社長の高橋ゆき氏、アスリートの為末大氏、著述家の山口周氏、ハピネスプラネット CEOで日立 フェローの矢野和男氏の思考を組み込んだ「Bunshin(分身)」も加わっている。

600種類の異能AIエージェント間の関連を表すネットワーク図

 日立とハピネスプラネットは、人の思考を拡張する“知の増幅器”として、経営計画策定やIR対応、新規事業構想、営業戦略策定、経営会議の質の向上といった幅広い経営シーンでFIRAを活用できるとしている。

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