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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第837回

NanosheetからForksheet、そしてCFETへ──TSMCが描くA14以降の微細化戦略

2025年08月18日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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A14はNanosheet、A10はForksheetを採用か?

 今回の発表はまだ研究段階のものではあるのだが、A14の次か、遅くてもその次くらいを見据えた、わりと現実的なものである。TSMCは2028年にA14プロセスの量産を開始予定となっているが、これはNanosheetないしScaled nanosheetの構成であり、Forksheetはその先だろう。

 このロードマップ、2024年11月にimecが出した"Accelerating beyond-2nm innovation across the ecosystem"によれば、A14に続くA10までがGAAで、その先のA7がCFETになるとしている。A10がScaled Forksheetである可能性は低くないだろう。

このロードマップも結構煩雑に更新されていて、2024年5月版はNanosheetとCFETの間にForksheetが入っていたのが、2024年11月版ではForksheetの名前そのものが消えている

 冒頭でIBMがCFETに関する論文を発表した話に触れたが、そのIBMが提案しているのはCFETをForksheetベースで構築するというものである。

左のAligned DesignはNFETとPFETをそのまま積層するものだが、右のStaggered Designは言ってみればForksheetを構築後に、中間部で切って上下にずらしたような構造である。利点はBSPDNの構築が容易なことである

 こちらもまだ研究段階のものだし、IBMはそもそも量産設備を持たない(この研究結果がRapidusの将来のプロセスに使われるかどうかも怪しい)ので、あくまでも研究レベルの話ではあるが、TSMC的には(IBMのようなことをするかどうかはともかく)Forksheetにそれなりの可能性を見出しているらしい。さて実際にはどうなるだろうか?

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