ERP専業の中本&Associatesも同基盤でAIソリューションを開発
AIビジネスを始めるなら“国産”で AI insideがRAG・AIエージェント“構築無料”の新基盤
2025年08月05日 17時00分更新
“ERP専業”ベンダーがAIを新たなビジネスの柱に
中本・アンド・アソシエイツは、32年間、「Oracle ERP導入」に特化してグローバルでビジネスを展開してきた企業だ。プロジェクトの実績は23か国で150社となり、オラクルの国内パートナーの中では「断トツ」の数字だという。同社の副社長 執行役員 COOである清瀬友久氏は、「オラクルのERPのみ扱ってきた独特な会社。しかし、そのために限界も生じてしまう」と説明する。
同社が、ERP以外の柱を作るべく動き出したのが2年前。長年ERPを扱っている中、エンタープライズ企業の様々な顧客課題との接点が増えており、その課題を生成AIで解決することを新たな柱に定めた。
さっそく同社は、いくつかの外資AIベンダーとの協業を検討。しかし、スピード感が合わず、特に大手外資ベンダーは「高飛車」(清瀬氏)だったという。そこで出会ったのが、国内のビジネスニーズを理解し、素早く対応してくれるAI insideだ。「国産ベンダーで、日本語はもちろん、文化慣習が通じる。そして、AIのビジネスモデルを自社開発できるLeapnetを紹介され、『まさにこれだ』と感じた」と清瀬氏。
中本・アンド・アソシエイツの従業員は50人にも満たず、AIの専門家も擁していない。それでもLeapnetにより、これまで培ってきた知見だけで2つのAIソリューションを開発できたという。
ひとつ目のソリューションは、AI-OCRによる受注・請求伝票の処理を自動化する「ERP強化AI」だ。「どのAI-OCRベンダーも未だ自動化を実現できていない。手書きの伝票を読み取れたとしても、『正しい製品名』や『取引先コード』などの記載がなく、データとして使えないのが実情」と清瀬氏。そこで、AI-OCRにRAGを組み合わせ、エージェントが過去の取引データから補正・補完して、ERPのデータとして処理できる仕組みを構築した。
もうひとつのソリューションが、ERPとはまったく別領域となる「異常検知AI」だ。正常時と異常時の状態をAIが判断する仕組みとなり、まずは、マンション修理のユースケース向けに展開する。これまでマンション修理の事業者は、見積作成のために1000枚にもおよぶ写真を撮影し、報告書を作成してきた。異常検知AIは、現場担当者が状況を説明しながら撮った動画をもとに、要修理箇所を画像として切り出し、録音されたコメントを文字起こしして報告書を生成してくれる。
これらのソリューションは2025年8月に本番リリース予定だ。清瀬氏は、「AIを利用するだけではなく、作る側にまわることで、ビジネスの“限界”を突破していく。AIであれば限界が生じない」と意気込みを語った。
APIを販売するマーケットプレイスやソブリンAIとしてのインフラ強化も予定
AI insideの事業は、今回提供開始するLeapnetによるAI実装支援と、DX Suiteによる非構造化データの構造化支援が中心となっていく。
今後は、LeapnetとDX Suiteの連携も計画しており、DX SuiteからAIプロバイダーによるAIを呼び出せるようにして、DX Suiteのユーザー企業や販売パートナーとのシナジーを生み出していく予定だ。 その場合には、利用料金の45%をAIプロバイダーに還元する。
また、いわゆるマーケットプレイスである「Exchange」機能も実装予定だ。AIプロバイダーのAPIを、他のAIプロバイダーでも利用できるようにする仕組みであり、こちらも利用料金の45%を還元して販売支援につなげる。
Leapnetを支える各技術への投資も継続する。国産LLMであるPolySphereでは、日本語でのフルデュプレックス(同時双方向)な音声会話などに対応するv4の開発を進めている。AI inside Cubeを連結させたGPUネットワークについても、ソブリンAIとしての需要にも応えるべく、ハードウェアノードを100倍へと拡大させる計画だ。












