スマホのカメラ機能が向上する中
デジカメは遊び心を追求することで新たな領域を開拓する
スマートフォンのカメラ性能は年々向上し、もはや一部のコンパクトデジカメすら市場から駆逐してしまった。日常の風景も、旅の記録も、手元のスマホ1台で十分事足りる時代である。その中で、あえてデジタルカメラとして新たな立ち位置を模索し始めたのが、遊び心とユニークさを前面に出したミニカメラの分野だ。
高性能は求めないが、独特の見た目や“撮ること自体が楽しい”という体験型ガジェットとして再評価されている。今回紹介する「SMC-01」は、そんな時代背景に現れたウルトラコンパクトなデジカメである。
クラジットカードの1/3というミニサイズのデジカメを衝動買い
筆者が購入したのは、株式会社SACが製造・販売する「mini いつも持ち歩きたくなるデジタルカメラ(SMC01-YE)ボディカラー:黄色」。シリーズロゴには「SAC CONNECT」と記載されており、同社が展開するミニガジェットブランドなのかもしれない。重さはたった18g。クレジットカードの約3分の1という驚異のコンパクトさ。スマートウォッチや目薬と並べてもぶっ飛びのサイズ感だ。
パッケージ内容は、本体のほかにUSB Type-A to Type-Cの短い充電ケーブルと、USB Type-C to Type-Cのアダプタが付属する。特に後者のアダプタは、スマホと直結する際に絶妙な存在感を発揮する。
記録媒体はmicroSDで、最大128GB対応とあるが、筆者の手元で余っていたSanDisk製の256GBカードでも、残り撮影枚数はオーバーフローするが問題なく動作した。あくまで非保証ながら、実用上はもう少し容量の大きいカードも活用できる可能性がある。
充電はUSB端子からのスタイルで、パッケージ記載では「充電時間:約150分」「撮影時間:約70分」とある。一方、公式リリース記事では「約1時間の充電で、200枚以上の静止画や60分以上の動画撮影が可能」とも紹介されており、よくあることだが使用条件やmicroSDカードの種類、撮影内容によって前後する可能性がある。いずれにしても、手のひらサイズの筐体としては充分な稼働性能だといえる。
本体正面には丸型のレンズと小さなスピーカー穴、そして極小のLEDフラッシュが配置されているが、このフラッシュの位置には注意が必要だ。撮影時に手で持つと、ついこの部分を指先で覆ってしまい、思わぬフラッシュ不発に繋がることがある。
また、本製品は初期状態では日時情報が埋め込まれない仕様となっている。そのため、撮影画像に正しい日付を記録したい場合は、microSDカードのルートに「time.txt」というファイルを作成し、規定のフォーマットで年月日時刻を書き込む必要がある(例:「20250101123559 Y」)。PCでこのファイルを作成・保存し、本体に戻すだけで日付設定が反映される。
一応背面に液晶があって構図や写真の確認は可能
PCに繋げれば簡単に写真を取り出せる
背面には約1インチの小型液晶ディスプレイを搭載。最低限の構図確認と再生は可能だが、画面サイズや視認性の点からも、スマホやPCに転送して閲覧・整理する方が圧倒的に快適である。このとき、付属のType-C to Type-Cアダプタが活躍する。スマホに直結すれば、本機はUSBメモリとして認識され、フォルダ構成も明快。筆者はAndroid端末で「File Manager」アプリを用い、簡単に閲覧・コピー・整理ができた。
本体右上の銀色のシャッターボタンで撮影する操作感も独特で、ミニカメラを握る行為そのものが楽しい。画素数は100万画素クラス、解像度は1280×720(HD)。スマホで撮る高精細写真に慣れていると、粗さは否めないが、その素朴な描写が逆に“トイカメラ的な魅力”として成立している。
なお、今回は静止画のサンプルも数点掲載する。一部は筆者のGalaxy S24 Ultraと同時に撮影したものであり、画質比較ではなく“空気感の違い”を楽しんでいただきたい。

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