仮想化基盤にオープンソースの選択肢、サイバートラストとの協業で品質・サポート強化も
「“脱VMware”の市場ニーズをすでに実感」 NTTデータがKVM仮想化基盤を提供開始
2025年08月01日 08時00分更新
中長期の安定利用を目指し、サイバートラストと協業
あわせて、Prossione Virtualizationにおけるサイバートラストとの協業についても発表された。
NTTデータでは、Prossione Virtualizationが幅広いユースケースに対応できるよう、継続的なアップデートを図り、中長期にわたって安定利用できる仮想化環境になることを目指している。そのために、パートナー企業と連携し、サービスやサポート体制を強化して、直販からのチャネルの拡大していく方針をとる。
その最初のパートナーとして選ばれたのが、サイバートラストだ。同社は国産Linuxを、開発からメンテナンス、サポートまで、25年間担ってきた実績を有する。NTTデータが目指す、中長期にわたる安定利用という観点でも、最長18年のサポート提供経験を持つ。
今回の協業では、こうして培われたサイバートラストの技術とノウハウを、Prossione Virtualization向けに展開していく。前述したとおり、AlmaLinuxのOSサポートサービスを組み込んだProssione Virtualizationを提供する。
サイバートラストは、AlmaLinuxを日本展開する中で、長期のソフトウェアサポートや可用性を高めるための無停止メンテナンス、FIPS140-3といったセキュリティ規格に対応する機能、ソフトウェアの脆弱性を管理するSBOMの提供など、独自の付加価値を追加しており、これらがProssione Virtualizationと共に提供される。
サイバートラストの代表取締役社長である北村裕司氏は、「サイバートラストが長年蓄積してきたノウハウ・技術をProssione Virtualizationとリンクさせ、日本企業が抱える問題のひとつの解となる仮想化基盤を一緒に育てていきたい」と強調した。
「脱VMware需要」を実感、当面は小規模・大規模の両端に訴求
Prossione Virtualizationは、2025年3月の構想発表時以降、幅広い企業・組織から問い合わせを受けているという。「引き合いの中心は、激変した仮想化基盤の維持コストを改善したい企業。(VMwareから)載せ替える仮想化基盤の選択肢が少ないため、KVMも検討しているという流れ」とNTTデータの濱野氏。
さらに、主権確保という需要も、「警察や外交、防衛から重要インフラ事業者まで、少しずつ引き合いが増えてきている」と説明する。
ターゲットとしては、まずは、物理サーバーが3台から5台に収まり、仮想化製品の基本機能を使い込んでいるような企業に訴求していく。加えて、既存のベンダー製品ではコストが見合わず、自身でコントロールしたい金融機関の大規模仮想環境などでも需要を見込む。
NTTデータの新谷氏は、「日本国内の仮想化基盤市場は、まだまだ規模が小さい。個人的な意気込みとしては、シェア20%を獲得していきたい」と語った。











