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グローバルの高い成長率に追いつくための事業方針を説明、日本企業とのコミュニケーションを重視

「提供すべきはモノよりも『価値』」 レノボESの新社長、日本での成長戦略を語る

2025年07月25日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 「はっきり申し上げると、われわれは日本市場ではまだまだ『挑戦者』の立場だ」「顧客企業にモノ(製品)を提供するのか、価値を提供するのか。わたしは『価値を提供したい』と思っている」

 Lenovoブランドのデータセンター製品(サーバーやストレージなど)を提供するレノボ・エンタープライズ・ソリューションズ(LES、レノボES)。今年(2025年)3月から同社 社長を務める張磊(チョウ・ライ)氏が、事業方針などを記者向けに説明した。その中で繰り返し強調したのが、製品やテクノロジーそのものではなく“ビジネス価値を提供していく”という方針だ。

 グローバルのレノボでは、データセンター製品事業(ISG:Infrastructure Solutions Group)における売上が前年比63%増と非常に大きく伸び、過去最高の売上高を記録している(2024/25年度)。しかし張氏は、日本のLESは「その伸びを追いかけている立場だ」と表現する。

 張氏は、これから日本市場において、何を強みとして、どのような方向性でビジネスを展開していくのかを率直に語った。

レノボでは、ローカル/オンプレミス/クラウドに適材適所のAIを展開する「Hybrid AI」を提唱し、それをエンドトゥエンドでカバーする製品群をラインアップする

レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ(LES) 代表取締役社長の張磊(チョウ・ライ)氏

「レノボの良い製品、良い技術が日本企業に伝え切れていない」

 張氏のIT業界におけるキャリアは30年以上に及び、うち25年間は日本でビジネスに携わってきた。前職は、インテル日本法人で執行役員 インダストリー事業本部長を務めた。「簡単に言うと、日本で25年間、ずっとユーザー企業と付き合ってきた」と自己紹介する。

 張氏は、“ポケットからクラウドまで”(モバイルデバイスからサーバーまで)の製品を扱うレノボグループにおいて、近年は特に、サーバー、ストレージ、プロフェッショナルサービスの売上が伸びていると説明する。

 レノボのサーバー製品(「ThinkSystem」「ThinkAgile」など)は、第三者機関による各種評価やベンチマークで高い評価を得ている。そうしたこともあって、グローバルのISG事業(サーバービジネス)では大きな成長を遂げているが、日本市場ではまだ十分に成長できていない。「もっと成長できる余地がある」というのが張氏の見方だ。

x86サーバーとしての信頼性やセキュリティ、パフォーマンスへの評価は高い

 張氏は、LESが日本市場で伸び悩んでいる背景には、LESと顧客企業の間に“ギャップ”があるためだととらえているようだ。

 「レノボは、非常に良い製品と良い技術を持っている。ISGが(前年比60%を超える)高い成長をしているのはその証拠だと思うが、日本ではそれ(製品力や技術力)がお客様にご紹介できていない。伝え方をもっと改善しなければならない」(張氏)

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