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基幹システムのモダナイゼーションもさらに加速へ、日本オラクルの新年度事業戦略説明会

“エージェンティックAI時代”に耐えうるデータ基盤とは? 日本オラクル・三澤社長が語る

2025年07月10日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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ガバメントクラウド、ソブリンクラウドなどでも新たな発表

 ミッションクリティカル、AI以外の領域でも、それぞれ昨年度の導入事例や最新発表が紹介された。以下では、新たに発表された内容を中心にまとめる。

■ガバメントクラウド:「OCI採用の自治体は500を超える見通し」

 政府/地方公共団体(地方自治体)で推進されているガバメントクラウドへの移行。三澤氏は、1741ある地方自治体のうち、2025年度中に移行が完了するのは1000から1100程度という数字を引用しながら、「そのうちOCIを採用いただく地方自治体は、500を超える見通し」だと発言した。実際には地方自治体もマルチクラウド戦略をとっているため、“OCI単独”というケースは少ないと思われるが、それでもガバメントクラウド市場の中で一定の存在感を示すことになりそうだ。

ガバメントクラウドでのOCI採用自治体(上段)、パートナー(下段)

■ソブリンクラウド:日本のオペレーションセンター開設を発表

 近年、データ主権や運用主権が担保される「ソブリンクラウド」への注目も高まっている。オラクルでは、OCIの技術コンポーネントをベースとしつつ、パートナーのデータセンターでパートナーが運用する「Oracle Alloy」、顧客データセンターに設置されオラクルが運用する「Oracle Dedicated Region Cloud@Customer(DRCC)」といったソブリンクラウドソリューションを展開してきた。

 今回は新たに、日本在住のメンバーが、24時間365日体制でAlloyパートナーをサポートする「Japan Operation Center(JOC)」の開設が発表されている。これにより、Alloyパートナーが日本のデータ主権/運用主権/ソブリン要件を満たすかたちで、ソブリンクラウドのサービスを提供できる。

現在Alloyパートナーとなっている野村総合研究所(NRI)、富士通、NTTデータのいずれも、FY26中には自社クラウドサービスとして本格提供を開始する

■マルチクラウド:AWS国内リージョンでも「近日提供予定」

 他のクラウドプロバイダーのデータセンター内で、オラクルがOracle Cloudのデータベースサービスを提供する取り組みも、日本国内での展開が進んでいる。Microsoft Azure、Google Cloudでは、現在提供中の東日本(東京)リージョンに加えて、西日本(大阪)リージョンも「近日予定」となっている。

 またAWSについては、米国東部リージョンで限定プレビュー提供を開始しており、東京/大阪リージョンについては「近日予定」としている。いずれもFY26中には進捗があると見てよいだろう。

※追記:オラクルは米国時間7月8日、Oracle Database@Azureの一般提供開始を発表した。発表では、東京/大阪リージョンを含む世界20リージョンでの提供予定も記されている(提供開始時期は未公表)。

日本国内リージョンにおける、Oracle Database@Azure/@Google Cloud/@AWSの展開状況

■関連サイト

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