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【値上げ】アドビ、生成AI強化で「Creative Cloud コンプリートプラン」を8月1日から改定

2025年07月07日 18時00分更新

文● サクラダ 編集●飯島恵里子/ASCII

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 アドビが5月に発表したクリエイティブツール群「Adobe Creative Cloud」の大型アップデートが、8月1日の提供開始を目前に控えている。このアップデートにより、従来の最上位プラン「Adobe Creative Cloudコンプリートプラン」は「Adobe Creative Cloud Pro」へと名称を変更。生成AI機能などが大幅に強化される。

生成AIを大幅強化、サードパーティ製AIも利用可能な新プラン

 「Adobe Creative Cloud Pro」は、これまでのコンプリートプランで提供されてきた「Adobe Photoshop」や「Adobe Illustrator」、「Adobe Premiere Pro」といったすべてのアプリやサービス、特典に加え、新たなツールとクリエイティブ機能を追加した新プランだ。

 近年、同社が注力してきたパフォーマンス向上も反映されており、Illustratorで多用される効果処理は5倍高速化され、Photoshopでは髪の毛のような複雑なディテールをすばやく正確に選択できるようになった。Premiere Proでは、テラバイト規模の映像から目的のシーンを瞬時に検索できるなど、制作現場の生産性を向上させる機能が盛り込まれている。

Adobe MAX Londonで発表されたAdobe Creative Cloudの主な機能のデモ

 今回のアップデートの最大の目玉は、生成AI「Adobe Firefly」の機能強化だ。Photoshopの「生成塗りつぶし」やLightroomの「生成AI削除」といった画像・ベクター向けの標準AI機能が無制限で利用可能になるほか、Premiere ProではビデオクリップをAIが違和感なく延長する「生成延長」といったプレミアムAI機能も利用できる。さらに、新たに提供される「Adobe Fireflyアプリ」では、高品質な画像、ベクター、ビデオ、オーディオを生成できるほか、現在ベータ版として提供中の新機能「Adobe Firefly ボード」を介して、AIを活用したアイデア出しや共同作業が可能になる。

Adobe Fireflyで利用可能なアドビおよびアドビ以外のモデルの一例

 特筆すべきは、Adobe Fireflyアプリ内で、アドビ製ではないサードパーティのAIモデルを選択できるようになった点だ。Googleの「Imagen 3」や「Veo 2」、OpenAIの画像生成モデルなどを直接利用でき、クリエイターは用途や好みに応じて最適なAIモデルを使い分けられるようになる。今後、対応するパートナーモデルはさらに増える予定だという。

現在のプラン名 Adobe Creative Cloud
個人版コンプリートプラン
Adobe Creative Cloud
学生・教職員版コンプリートプラン
Adobe Creative Cloud
グループ版コンプリートプラン
7月31日までの価格
(年間プラン・月々払い)
7780円/月 3610円/月
(初年度は2180円/月)
1万780円/月
新しいプラン名 Adobe Creative Cloud Pro
個人版
Adobe Creative Cloud Pro
学生・教職員版
Adobe Creative Cloud Pro
グループ版
8月1日以降の契約更新時に
適用される価格
(年間プラン・月々払い)
9080円/月 4180円/月
(初年度は3280円/月)
1万1990円/月

 日本での「Adobe Creative Cloud Pro」の提供は8月1日から。価格は個人版の年間プラン(月々払い)が月額9080円となる。既存のコンプリートプラン契約者は、8月1日から自動的に「Adobe Creative Cloud Pro」へ移行され、新価格は次回更新時から適用される。また、生成AI機能へのアクセスは制限されるが、主要なデスクトップアプリが利用できる新プラン「Adobe Creative Cloud Standard」も用意される。

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