ネットワーク分野の技術革新にも期待、「HPE Discover Las Vegas 2025」レポート
「VMwareからの脱却は少しずつ進む」 HPEのネリCEOが語る、仮想化・AIインフラ・運用自動化
2025年07月01日 08時00分更新
「仮想化市場の大転換期が訪れた」、VMwareの代替製品をアピール
大きなトピックになったのが仮想化だ。ネリ氏は、Discoverの基調講演の中で、「仮想化市場の大転換期が訪れた(The great VM reset is here)」「HPE Private Cloudこそが、皆さんにとってより良い未来へのロードマップだ」と発言している。
ラウンドテーブルにおいて、ネリ氏はまず次のような認識を示した。要は「今後も仮想化技術は必要とされる」という認識だ。
「『仮想化はすべてコンテナに移行する』と言われてきたが、現実にはそうなっていない。また『すべてがパブリック(クラウド)に移行する』と言われてきたが、これも同じで、現実にはそうなっていない」
ただし、仮想化市場で約60%のシェアを持つVMwareをBroadcomが買収し、製品ラインアップやライセンスを改定したことで、大幅なコスト上昇に見舞われた企業も多い。ネリ氏は「企業は競争力のある代替案を求めている」と語る。顧客企業の一部はその代替案をHPEに求めており、それが1年前に発表したKVMベースの仮想化ソリューション「HPE Private Cloud VM Essentials」につながったという。
もっとも、まだ顧客の多くはHPEサーバー上でVMwareの仮想化技術を利用しており、VMwareとも良好な関係を保っているとアピールする。ネリ氏の見通しは、「すぐにVMwareから脱却するのではなく、少しずつ縮小していくかたちになるだろう」というものだ。ワークロードの移行先として、代替の仮想化環境、コンテナ環境の両方で、HPEは支援できると強調した。移行についても、「シームレスかつ自動的に移行する機能を提供する」という。
なお、仮想化環境という文脈で、2024年8月に買収したMorpheusにも触れた。Morpheusはハイブリッドクラウドの統合管理ソリューションであり、「すべての主要ハイパーバイザのサポート、オンプレミスとクラウド環境のオーケストレーションなどが特徴」だという。多様なハイパーバイザ(仮想化環境)の管理をMorpheusに統合することで、体験を改善しコストも下げることができる、と重要な技術であることを強調した。








