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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第113回

AI丸投げのゲーム開発が超楽しい 誰もがプログラムを作る時代は確実に来る

2025年06月30日 07時00分更新

文● 新清士

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バイブコーディングはとても楽しい

 あらためて自分で作ったゲームを振り返ると、シナリオもAI、画像もAI、音声もAI、コードもAI──ということで、人間にとって重要なのは、ゲーム自体のアイデアを丁寧に作っていくことが必要になるんでしょうね。

 また、AIがあることで、いわゆる「勉強する」コストが大幅に下がっているのも感じます。わからないことは片っ端から、AIに「これって何?」と放り投げる。そして返ってきた答えを読むと「あーなるほどそういうことね」とふんわり分かったような気分になる。その疑問と理解と実践のキャッチボールの速度が短くなっています。これまでは勉強しながら1ヵ月かかっていたものが、1日〜2日でそれなりの知識を獲得しつつ作れてしまう。

 それに、AIにコードを書いてもらっているとはいえ、何度も指示を繰り返す中で、「ここでこの処理をしていて、シナリオパートはここにデータがまとめられていて……」という構造は理解できてしまう。たとえ新人であっても、学習意欲が高ければ、すぐに知識を身につけて、実践レベルの技能を身につける可能性が高い。

 一方で、すでにプログラムのスキルを持つ人にとっては、AIを利用することで、さらなる高みへとより容易に到達しやすくなったとも言えます。

 バイブコーディングを自分でやってみて感じたのは、まず、とても楽しいということです。そして、誰もがプログラムを作る時代が確実にくるという予感です。今後、その影響は、社会に途方もなく大きなものになるのも間違いないでしょう。

 

■関連サイト

 

筆者紹介:新清士(しんきよし)

1970年生まれ。株式会社AI Frog Interactive代表。デジタルハリウッド大学大学院教授。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリストとして活躍後、VRマルチプレイ剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の開発を主導。現在は、新作のインディゲームの開発をしている。著書に『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版新書)がある。

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