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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第113回

AI丸投げのゲーム開発が超楽しい 誰もがプログラムを作る時代は確実に来る

2025年06月30日 07時00分更新

文● 新清士

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“コピペ”が苦痛でClaude Codeに移行

 ただ、ChatGPTで作っていくと、難しいのが修正指示と修正作業です。

 生成しているコードは段々と長くなっていくので、それをすべて生成すると時間がかかるようになってきます。そこから微妙に修正するために、「この部分だけを変えてください」と様々な修正指示を出すのですが、コードをコピペするのも大変だし、「これを差し込んで」と言われても、差し込むところを間違える。短いなりにも行が長くなってきて、一度修正するのに何分もかかるようになってしまいました。しかも、こちらはをほとんど理解していないので、何度もエラーを引き起こしてしまいます。結局、全部出し直させるのですが、そのつど数分間かかるようになりました。

BGMがちゃんと鳴らなかったのを修正するときの様子。部分のみの修正が出てくるので、コードを理解していない状態だと、どこを修正したらいいのかわからず困った

 問題だったのは、ゲームのなかに動画生成AIで作ったムービーがうまく再生できなかったとき。どうもNext.jsとブラウザーの設定がコンフリクトを起こしてしまったようで、ローカルでは動くのに、アップロード先では動かないという不具合が起きてしまいました。それを直そうとするとコピペを繰り返す必要があったのですが、筆者の知識不足もあり、1時間あまり粘ったのですが、結局、解決ができませんでした。こうなると難しいなあと。

 そこで、課金して使いはじめてみたのがClaude Codeです。まずはClaudeの月17ドルのProコースに入りました。

 筆者の環境はWindowsなので、Claude Codeを動かすには、Windows用のLinux環境「WSL (Windows Subsystem for Linux) 」を構築する必要があります。そもそも、そこからハードルが高い。とはいえこれも片っ端からやり方をChatGPTとGemini Proなどに聞いていきます。また、合わせて使ったほうが便利とのことなので、マイクロソフト製の無料で使えるコードエディタ「Visual Studio Code(VSCode)」もインストールしました。

 Linuxターミナルを呼び出して、Claude CodeとAPI接続。「さっきのコードをClaude Code上で動くようにしたいんだけどどうすればいいの?」とChatGPTに聞いたら、「リポジトリをクローンして持ち込んで設定するだけで動くようになるよ」と言ってきました。

 クローンとは、完全なコピーを自分のPCなどのローカル環境にダウンロードする操作のこと。これまた、最初の設定を準備するのに困り、さらに画像や動画、音楽のファイル位置をやり直したりと苦労するのですが、わからないことはひたすらAIに聞きます。そして、指定通りに設定すると、きちんと動いたんですね。結局、この作業に1時間ぐらいでしょうか。

VSCodeでClaude Codeを接続している画面。右側がClaude Codeのパネルで、デバッグをするように日本語で指示しているところ。中央のパネルではシナリオを構成しているデータを表示している

 Claude Codeに移行したことの大きなメリットは、指定するだけですべてコードを書き換えてくれることです。ChatGPTの場合はコードをいちいちコピペしないといけなかったのが、Claude Codeはすべてそのまま変えてくれるというわけです。

 例のムービーも無事再生されるようになりました。「動画がうまく動かない」と言うだけで、ちゃんと問題を認識してくれて、修正してくれたんですね。「バグを直して」とか「チェックして」と指示するだけでゲームができてくるというのは非常に大きかったです。

 そして、新しいプロジェクトとしてGithubにアップロードし、Vercelに公開したのが、最初のデモということになります。

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