快進撃を続けるAMD RyzenシリーズとAMD Radeonシリーズ
ゲームに、動画編集に、AIワークロードまで──高性能CPUとGPUを武器に、今やインテルに真っ向勝負を挑む存在となったAMD。2024年後半から、秋葉原のPCショップでは「AMD Ryzen™ 9000」シリーズや「AMD Radeon™ RX 9000」シリーズの人気がさらに加速。とくに自作PCユーザーからは「コスパの高さ」と「安定した進化」が高く評価されている。その人気はすさまじく、米国のAmazonベストセラーランキング(CPUの売れ筋ランキング)のTOP10をAMD Ryzen™シリーズが独占した。日本のCPUの売れ筋ランキングでもTOP10のうち7製品がAMD Ryzen™シリーズとなっている(それぞれ2025年6月27日現在)。
そんな人気のAMD製品を使うには、対応したマザーボードやビデオカードが必要ということで、対応製品を取り扱うメーカーにオススメの対応製品を聞いた。第1回は、独自機能とコストパフォーマンスの高さでファンの多いASRock編だ。
ゲームパフォーマンスが高く、クリエイティブ用途にも強いAMD製品
AMD製品の魅力は、ゲームパフォーマンスが高く、クリエイティブ用途にも強いことにある。その代表例といえるのが、デスクトップ向けCPU「AMD Ryzen™ 9 9950X3D プロセッサ」と、デスクトップ向けGPU「AMD Radeon™ RX 9070 XT」だ。どちらもゲーマーから高い人気を得ており、クリエイティブ用途でも高い性能を発揮する。
「AMD Ryzen™ 9 9950X3D プロセッサ」の魅力のひとつは「AMD 3D V-Cache™ テクノロジ」(以下、3D V-Cache)を備えている点だ。この「3D V-Cache」は、CPUダイの上に高速なキャッシュメモリーダイを実装することで、3次キャッシュ(L3キャッシュ)容量を拡大させるというもの。これにより、CPUが低レイテンシーで大容量のキャッシュにアクセスでき、ゲームのパフォーマンスが向上する。
AMD Ryzen 9 9950X3D プロセッサ
GPUの「AMD Radeon™ RX 9070 XT」は、AMDの最新GPUアーキテクチャー「RDNA 4」を基盤としており、Navi 48コアを採用している。さらに、AI処理を担う第2世代AI Accelerator、レイトレーシングユニットの第3世代Ray Acceleratorを備えている。ラスタライズを含む高い描画性能に加えて、AI処理性能やレイトレーシングが強化されたのだ。
AMDのゲームパフォーマンスの高さを支えている技術としては、AMD独自の超解像(アップスケーリング)技術「AMD FidelityFX™ Super Resolution 4」(FSR 4)も見逃せない。AMD FSRはゲーム画面をいったん低い解像度でレンダリングした後、超解像処理してから出力するというもので、最新のAMD FSR 4では複数のフレームを生成でき、その処理にAI Acceleratorを使用するようになった。
またゲーマーなら、AMDのフレーム生成技術「AFMF 2.1」もぜひチェックしておきたい。AFMF(AMD Fluid Motion Frames)は、ふたつのフレームから中間のフレームを生成しフレームレートを向上させるというもので、なめらかな描画でゲームを楽しめる。
ASRock エクストリームプロダクトマーケティング 原口有司さんに聞く
「AMDってこういうところがいいよね!」
――AMD製品(CPU/GPU問わず)の魅力やメリット、今の勢いを感じている点を教えてください。
【原口さん】AMD製品の魅力として、最近特に注目しているのがRadeon RX 9000シリーズのビデオカードです。実際の価格帯や、ドライバーの完成度の高さ、さらに各ゲームメーカーとの密な連携を見ると、ユーザー目線に立った開発姿勢がしっかりと伝わってきます。
とくにゲーマーに寄り添うその姿勢は、販売の現場にいても実感でき、非常に評価できるポイントだと感じています。製品そのもののパフォーマンスだけでなく、周囲のサポート体制も含めた総合的な完成度の高さに、いまのAMDの勢いを強く感じます。
ASRock japanのオススメ その1
「B650M Pro X3D WiFi」
「B650M Pro X3D WiFi」は、製品名に「X3D」が付く「AMD Ryzen™」シリーズ CPUに最適化したマザーボードだ。MicroATX規格のため小型PCを組みたい人もに最適で、価格もお手頃のためコスパも良好。PCI Express 5.0(PCIe5.0)に対応するビデオカード向け拡張スロットと、M.2拡張スロット(Blazing M.2ソケット)をサポートしている。

ASRock原口有司さんの推しポイント
・最新ハイエンドCPUに最適化された設計で安定動作を実現
・メモリークロックを安定させるためハイエンドMBと同じ素材を採用
・最新グラフィックス・高速SSDと組み合わせられるPCIe5.0にもしっかり対応
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ASRock japanのオススメ その2
「X870E Nova WiFi」
AMD X870Eチップセット搭載の「X870E Nova WiFi」は、ゲーム向けマザーボード「Phantom Gaming」のフラグシップモデルという位置付けの製品だ。電源部は20+2+1フェーズ構成を採用し、110Aもの電流に対応したSPS(Smart Power Stage)を装備している。また、5基のM.2拡張スロット(Blazing M.2ソケット)を備えるうえ、このM.2スロットには大型ヒートシンクが用意されているおかげで、熱によってSSDの性能が低下するサーマルスロットリングを心配する必要がない。

ASRock原口有司さんの推しポイント
・ASRockのナンバーワンAM5マザーボード
・強固な電源◎、拡張性◎、デザイン◎、そしてゲーミング性能も◎
・ハイエンドマザーボードでコストパフォーマンスも◎
■Amazon.co.jpで購入
ASRock japanのオススメ その3
「AMD Radeon RX 9070 XT Taichi 16GB OC」
「AMD Radeon™ RX 9070 XT Taichi 16GB OC」は、「AMD Radeon™ RX 9070 XT」を搭載したグラフィックボードだ。出荷時にオーバークロック設定を施し、最大3100MHzの動作クロックを実現している。独自の冷却システムのおかげで長時間の利用でも安定して動作する。RGBライティングをカスタマイズしやすいため、性能の高さだけでなく美しい自作PCにこだわりたい人にもチェックしてほしい製品だ。

ASRock原口有司さんの推しポイント
・最高最速を目指す為に基板から特注し、使う部材も徹底的にこだわり、
RDNA 4の最新半導体を安定して高速動作させるために、
ASRockの持っている技術を注ぎ込んだ製品
■Amazon.co.jpで購入
ASRockは低故障率と使いやすさが魅力
ASRockのマザーボードは、堅実な設計思想と必要十分な部品選定により故障率が低く、VRM(電圧レギュレーターモジュール)の放熱設計が秀逸。メモリースロットの刻印が見やすい、ファンヘッダーの位置が絶妙など、組み立て時の工夫が凝らされているのも特徴だ。
「Taichi」シリーズのような高品質な基板やM.2 SSDの搭載数の多さ、「Phantom Gaming」シリーズのようなゲーミングに特化した機能(低遅延USBポート、PCIeスロット補強など)など、ユニークな特徴を持つモデルを展開している。
ビデオカード業界では比較的新参ながらも、高い完成度を持つビデオカードをリリースしている。高性能なサーマルグリスの採用やダブルボールベアリングファンなど、細部にもこだわりが見られる。
コストパフォーマンスを重視しつつも、安定性や使いやすさを求めるユーザーにとって、ASRockのマザーボードとビデオカードは魅力的な選択肢と言える。ネット上でも「値段の割に良い機能が揃っている」「信頼性が高い」といった肯定的な評価が多く見られるのがその証拠だ。長くPCを使い続けたい人にとってASRockは魅力的なメーカーに映るはずだ。











