AIだと意識せずに日々活用できる「Stella AI for Biz」
中小企業の“初めてのAI活用”に NTT Comらが伴走支援つきの生成AIサービス
2025年06月17日 08時00分更新
人手不足が深刻な中堅・中小企業では、生成AIを活用した業務効率化に前向きな企業が増えつつある。一方で、環境構築の大変さや使いこなせるか不安といった理由で、一歩が踏み出せない企業もまだまだ多い。
このような状況の中、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、docomo STARTUPからスピンアウトしたSUPERNOVAと連携して、中堅・中小企業向けの生成AIサービス「Stella AI for Biz」を提供開始した。
「1アカウントあたり月額1980円(税別)」という価格には、AI活用の定着化までを伴走支援する「使いこなしサポート」提供も追加料金なしで含まれる。導入しやすいサービスの提供で、中堅・中小企業の“初めてのAI活用”を促進していく。
「AIを使っていると意識することなく」日々の業務でAI活用を
「Stella AI for Biz」は、コンシューマ向けに提供する「Stella AI」に、法人向け機能を追加した生成AIサービスである。
SUPERNOVAの代表取締役社長である木本東賢氏は、「生成AIを使える方も使えない方も、等しくAIを活用できることを目指して開発した」と説明。その特徴を3つ挙げる。
ひとつ目は、「複数の最新AIモデルへの対応」だ。テキスト生成型としてNTTの独自LLM「tsuzumi」を含む9モデル、画像生成型として4モデルから、業務に合わせたモデルを選択できる。各AIモデルは、随時最新のものに対応していく。
予め付与された「クレジット」の回数内でAIモデルを利用できる仕組みをとり、利用するモデルによって消費するクレジット数が異なる。ただし「使い放題」のモデルとして「Gemini 2.5 Flash」「GPT-4.1 mini」も用意しており、提供開始記念として「Claude Sonnet 4」を使い放題とするキャンペーンも実施する(終了時期未定)。DeepResearch機能もクレジットの範囲内で利用できる。
2つ目の特徴は、生成AIの利用率を上げる「直感的なUI・UX」だ。SaaSとモバイルアプリ(iOS/Android)を提供し、あらかじめプロンプトが組み込まれたテンプレート入力にも対応する。
さらに、ブラウザやOfficeツール、Google Workspaceといった、日常業務で使用するアプリケーション上で動作する拡張機能「Stella Extension for Biz」も提供。例えば、ドキュメント上では、要約や翻訳、解説などの生成AI機能がワンクリックで利用可能だ。
最後の特徴は、AI活用の知見を蓄積して、リテラシーを問わない生成AI活用を推進する「ワークスペース」機能の提供だ。任意の社員でグループを設定し、ユースケース(プロンプト)のテンプレートやRAGデータベースを共有できる。
プロンプトをテンプレート化することで、ファイルのアップロードといった、「AIを使っていると意識することのない」アクションで、同様のユースケースを実行可能だ。RAGデータベースに関しても、生成AIに参照させたいファイルを追加するだけで、RAGの仕組みを容易に構築できる。
中堅・中小企業の「AI活用の第一歩」に 目指すは生成AIの大衆化
「Stella AI for Biz」は、NTT Comが展開する「ドコモビジネスパッケージ」のラインアップとして提供される。中堅・中小企業の“DXの困りごと”に応えるソリューションパッケージであり、各企業の課題に合わせた最適なソリューションを組み合わせて、現場に入り込んだ伴走支援まで提供することが強みだという。
この伴走支援サービス「使いこなしサポート」を、Stella AI for Bizにおいても提供。ガイドライン策定や設定のサポートから、導入後の勉強会の開催まで、生成AIの定着化までを包括的に支援する。
価格は、初期費用無料で、1アカウントあたり月額1980円(税別)。使いこなしサポートもこの価格に含まれる。ドコモビジネスパッケージの「PCパック」や「スマートフォン契約」とのセット割(月額費用を3か月分無料)も用意しており、2025年10月のWindows 10のサポート終了を契機とした提案も進めていくという。
Stella AI for Bizは、NTT Comにとって、中堅・中小企業における「AI活用の第一歩」を支援するサービスという位置付けとなる。より高度な活用を目指す企業に対しては、exaBaseなどのカスタマイズが必要なソーション、そして将来的にはAIエージェントを展開していく方針だ。
NTT Comの常務執行役員 ソリューション&マーケティング本部長である本髙祥一氏は、「全国のさまざまなビジネスシーンにおいて、生成AIの普及、大衆化を推進していく」と抱負を語った。
