Windows 11は、年1回のバージョンアップをすることになっており、今年も10月あたりをメドにWindows 11 Ver.25H2がリリースされる予定だ。
Windows 11 Ver.23H2も24H2もベータ版のプレビューは、例年5月頃に開始されている。ただし、原稿執筆時点では、Windows 11 Ver.25H2に関して、何も公式発表はない状態だ。
まずはWindowsの現状を確認しておく
まずは、Windowsの現状を見てみることにしよう。以下の表は、現状のWindowsのリリース状態を示すものだ。現在サービスが継続しているWindowsには、Windows 10 Ver.22H2、Windows 11 Ver.23H2と24H2がある。Windows 11 Ver.22H2は、一般ユーザー向けのエディションのサービスは昨年終了。企業・教育機関向けのエディションが今年10月までサービスされる
現在公開中のWindows 11 Ver.24H2は、段階的ロールアウトの最終段階に到達し、5月2日以降は対象マシンに対して、Windows Updateによるバージョンアップが開始される(https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/release-health/status-windows-11-24h2)。
Windowsのリリースの正常性にあるWindows 11 Ver.24H2のページでは、24H2の配布が最終段階となったことを伝えている。バージョンアップ対象のマシンは、Windows Updateを経由して更新プログラムを自動的に受け取るようになる
これまでは、ユーザーにバージョンアップの可否を尋ねていたが、今後は通常の累積アップデートと同じく、条件を満たしたマシンに対して24H2へのバージョンアップが適用される。
2025年10月にはWindows 10がサービス終了となる。これがあるため、今秋はちょっとした買い換え需要がありそうだ。
これまでの経緯から、今年10月頃にバージョンアップがあり、Windows 11という名前が継続されるならVer.25H2となるはずだ。同様に、プレビューの開始は、5~6月の間であり、そろそろなんらかのアナウンスなり動きがあると想像できる。
プレビュー版の状況を整理する
Windows Insider Programには、現在Canary、Dev、Beta、Release Previewの4つのチャンネルがあり、Windowsのプレビューが実施されている。このうちCanaryは、特定のバージョンのWindowsを想定したものはないとされている。
ビルド番号から考えると、Devチャンネルのビルド26200シリーズが、Windows 11 Ver.25H2のベースになるのではないかと思われる。
Windows 11 Ver.23H2のDevチャンネルとBetaチャンネルは、今年1月に統合された。3月にWindows 11 Ver.24H2のBetaチャネル(ビルド番号は26120)とDevチャンネル(ビルド番号は26200)に分離した。
しかし、分離後の3月から5月のビルドの変更点は、少なくともMicrosoftのドキュメント(Windows Insider Blog)を見る限り、同じまま。つまり、25H2のプレビューは体制は整っているが、まだ、配布されていないということだ。
Windows SDKは、現行の24H2(26100)用に2024年4月に配布されたものが最後で、以後Windows SDKのプレビューがなされていない。これは、Win32レベルでは新機能の追加がないことを意味するが、Windows自体に新機能が追加されていないわけではない。
実際にWindows App SDKは、昨年から高い頻度でプレビューやバージョンアップをしている。
たとえば、前々回に解説したPhi Silica関連のAPIはWindows App SDK側にあり、Windows SDKではこれを扱っていない。というのも、すでに稼働しているWin32のDirect Computeのような、低レベル機能の上にCopilot Runtimeが構築されているからだ。
25H2のプレビューが開始されれば、Windows SDKのプレビューも再開すると考えられる。Win32レベルで新機能は追加されなくとも、ヘッダ定義などの更新が必要になるからだ。
とはいえ、Copilot Runtimeのように、Windows App SDK側に構築される新機能も増えてくると考えられる。これは、Windowsの主要なAPIの実装がWindows App SDK側に移行しつつあることを意味する。

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