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職員および利用者の利便性向上ツールとして活用を模索

ハローワークでも生成AI 2025年度中に“職業マッチング”や“ウェブ自動回答”の実証実験

2025年05月02日 09時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 厚生労働省は、ハローワークにおける将来的なAI活用に向け、2025年度に実証実験を実施することを発表した。

 ハローワークでのAI活用は、職員のすべての仕事を代替するのではなく、ハローワークサービスの「利便性を高めるためのツール」とする方針で、2つの領域で進められる。

 ひとつは、全国544か所にあるハローワークのサービス向上だ。職員がAIを活用することで、効率的なヒヤリングと利用者に合わせた提案を推進し、あわせて業務負荷の軽減も図る。

 もうひとつは、月間約7000万件のアクセスがあり、8割以上の求人が申し込まれる「ハローワークインターネットサービス」の利便性向上だ。心理的負荷や子育て、既存業務で窓口に行けない利用者や、視覚・聴覚障害を有する利用者などが、より使いやすくなるようAI機能を実装していく。

ハローワークがAI活用で目指す姿

 具体的には、職員向けのAI活用として、ハローワーク保有のデータを活用した求職者向けの「求人リコメンド」や「求人条件緩和案の提示」の仕組みを検証する。生成AIの提示を参考に、最終的な職業マッチングは職員が実施する方向性だ。

 2025年度には、全国10カ所のハローワークにて実証実験が行われる。

職員向けAI活用の実証

 また、ハローワークインターネットサービスでは、求人や職業紹介についての質問に自動回答する「コンシェルジュ機能」の検証を進める。正確性の担保や回答精度、運用ルールの整備、限られた期間・予算などを考慮して、最初に提示する選択肢から質問内容を絞り込み、その後、生成AIが回答するという仕組みを想定する。

 2025年度内には、利用規約に同意した利用者に対してコンシェルジュ機能のβ版が提供される予定だ。

ハローワークインターネットサービスでのAI活用の実証

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