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Veritas統合後の製品戦略と注力領域を説明

新生Cohesityが始動 買収した「NetBackup」の開発はどうなる?

2025年04月30日 07時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 米Cohesity(コヒシティ)は、昨年(2024年)2月、米Veritas Technologies(Veritas)のデータ保護事業を買収することを発表した。それから1年を経た2025年2月、両社の統合が完了し、満を持して“新生Cohesity”として事業を本格化していく。

 今回の統合で特徴的なのは、両社がエンタープライズ向けのバックアップソリューションを展開する中で、重複するラインアップの開発を継続することだ。それを可能にするのが、Cohesityのデータ管理ソフトウェア「Data Platform」を中核とした柔軟なアーキテクチャーだという。

 日本法人であるCohesity Japanのテクニカルセールス本部ディレクターである高井隆太氏は、「似たような製品を抱える中で、どちらかをなくすことはせず、両製品の良いところを活かしながら顧客の資産を守っていく」と強調する。

Cohesity Japan テクニカルセールス本部ディレクター 高井隆太氏

バックアップの統合を可能としたCohesityのアーキテクチャー

 企業の統合時、既存ユーザーが懸念するのが「重複するラインアップ」をどう扱っていくかだ。これに対して新生Cohesityではどのような戦略をとるのか。

 CohesityのCEO兼社長であるSanjay Poonen(サンジェイ・プーネン)氏は、統合後も、Veritasのバックアップソリューション「NetBackup」や「NetBackupアプライアンス」、クラウドデータの管理プラットフォーム「Alta Data Protection」を、「継続的にサポートしていく」と公言している。ここでいう“サポート”とは、単なるテクニカルサポートではなく、「開発を継続して、今後も新製品をリリースしていく」という意味だ。

Sanjay Poonen(サンジェイ・プーネン)氏のコミットメント

 実際にどのように製品の統合が進んでいるのか。VeritasのNetBackupは、近年、拡張性を高める狙いでコンテナ化されており、これがCohesityのアーキテクチャー上で疎結合される。こうしてCohesityのプラットフォームの一部となることで、Cohesityのバックアップソリューションである「DataProtect」と同様に、データ保護やデータセキュリティ、ITアナリティクスやAIなどのCohesityの各機能、そして、DataPlatformとの連携が可能になる。

 現在、セキュリティやAIの領域で対応すべき領域は残っているものの、NetBackupからCohesityのDataPlatformに書き込める状態であり、NetBackupとDataProtectで共通するデータコネクタも数十個用意されているという。

 NetBackupのアプライアンスについても、Cohesityのプラットフォームとの連携を進めており、投資も継続される。今後は、NetBackupとDataProtectの強みを活かして、双方が機能するような構成を模索していく予定だ。

Veritas統合に伴う製品ロードマップ

 こうした統合を実現しているのが、柔軟に設計されたCohesityのアーキテクチャーだ。Cohesityのシニアバイスプレジデント兼最高製品責任者であるVasu Murthy(ヴァス・マーシー)氏は、「Cohesityの強みは、強力なDataPlatformの上で、さまざまなアプリケーションが動作すること。バックアップのプロダクトを作ろうと始まった会社ではない」と説明する。

 DataPlatformに集約したデータを基に、バックアップやデータセキュリティを提供し、コンテナアプリケーションやAIによるデータ利活用を推進する。「DataPlatformを中核としたCohesity独自のアーキテクチャーがなければ、2つの企業が一緒になっても、そのメリットを享受することはできなかった」とマーシー氏。

Cohesity シニアバイスプレジデント兼最高製品責任者 Vasu Murthy(ヴァス・マーシー)氏

 そして、このプラットフォームで実現するのが、セカンダリデータ(二次データ)の保護と活用だ。バックアップやログ、分析のためにコピーされたセカンダリデータは、プライマリデータ(一次データ)と比べて投資が進んでいないうえ、毎日大量に発生するため、管理が行き届かなくなりがちで、脆弱性も発生しやすい。

 もともと、大規模で複雑なセカンダリデータの悩みに着目してきたのが、CohesityとVeritasであった。長年バックアップ市場を牽引してきたVeritasと、セカンダリデータの取り扱いに注力してきたCohesityが統合したことで、新生Cohesityの抱えるユーザーの管理対象データ量は100EB(エクサバイト)以上に達する。これは競合他社の10倍近い量だ。この膨大なデータを、保護しつつ、AIによってインサイトにまでつなげることが、新生Cohesityの注力領域となる。

新生Cohesityが抱える管理対象データ

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