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T教授の「戦略的衝動買い」 第824回

Type-CとType-A両対応で極小なUSBメモリーを衝動買い

2025年04月26日 12時00分更新

文● T教授、撮影●T教授、編集●ASCII

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PCの周辺機器として、四半世紀の歴史を持つUSBメモリ。今回はミニミニタイプを衝動買い

四半世紀前に見た最初のUSBメモリは8MBだった

 今から四半世紀前の1999年頃、ノースカロライナ州にある米国IBM社のラーレー研究所で、たまたま世界初のUSBメモリーのプロトタイプを見た。当時は現在の通称である「USBメモリー」という名称はまだ定着しておらず、その研究所では「USBドライブ」とか「USBフラッシュドライブ」などと呼んでいた。

 通信ネットワークを介したダウンロードは回線も遅く、OSや大型ビジネスアプリのPCへのインストールは、CD-ROMか、最悪の場合はディスケット(フロッピーディスク)を30枚も40枚使ってするのが日常だった。

 当時のIBM社の3.5インチディスケットは大容量とは言っても、たかだか2.88MB。他のPCとの互換性の必要もあり一般的に使われていたのはその半分の容量の1.44MBだった。一方で、生まれて初めて見たUSBフラッシュメモリーは親指サイズで8MBだった。

 単純計算すればたった1つのUSBドライブでディスケット5~6枚分に相当する。研究所で面談したエンジニア部門のマネジメントからは「楽しそうな製品」だから日本も一緒にやろうよ! と誘われた。

 当時からガジェット大好きだった筆者は同行していた大和研究所の開発責任者と話して、「とにかくヤル」という回答をして帰国した。文系の筆者はその後、はるかに優秀な人にこのお仕事を引き継いだのは言うまでもない。

 そして翌2000年の第4四半期にイスラエルのM-Systems社との共同作業である世界初のUSBメモリーは、「IBM DiskonKey」(ディスク・オン・キー)という商標で世界に向けてデビューすることとなった。

外付けSSDなどに押されつつも今も新製品が登場するUSBメモリ
売りのポイントは大きく分けると7種類の分別が可能

 あれから25年。日本でも「USBメモリー」という名称で定着したデバイスは、セキュリティ上の課題を抱えながらも、そして次世代のSSDテクノロジーに怯えながらも今も健在で、容量は1TBや2TBに成長してきている極めて息の長い周辺機器の雄なのだ。

 そしてなにより面白いのは市場に溢れたUSBメモリーはその競争での生き残りをかけて、各社ユニークな戦略で独自のプロダクトを生み出していることだ。今回ご紹介するロジテック社の「キャップ式 USB Type-C USB-A USBメモリ 64GB」(LMC-LCA64UAC)もそんな1つで、最小クラスを誇るオタク好みの「ミニミニサイズUSBメモリ」だ。

このサイズにフロッピー4万枚以上のデータを記録できる

 オタクの筆者が関わった世界初のUSB DiskonKeyから現在に至るまで、面白いと思ったUSBメモリーはそのほとんどを即衝動買いしてコレクションしている。自然と集まったUSBメモリーの一部をテーブルに広げてぼんやり眺めてみると、数種類のグループを構成していることがわかってくる。

筆者が貯め込んだUSBメモリ

 まずは「持ち歩きの携帯性を第1に考えたカード型の様な薄型タイプ」「何らかの他のツールと合体したタイプ」「素材にこだわった高級意匠型タイプ」「ステーショナリー系でジョーク的なタイプ」「USBメモリの弱点である機密性を補完する番号ロックや指紋認証タイプ」、そして最後は「ノベルティ市場に向けたカスタマイズタイプ」などだろう。

携帯性重視から高級系、ジョーク系に超小型まで、いくつかのパターンに分類できる

 さらに7番目に加えてもよさそうなのが、今回のミニミニタイプだ。うっかりすると幼児などが飲み込んでしまいそうなので、お子さんがいる家庭では要注意でもある。ときどき広告コピーで「挿しっぱモデル」なんておバカを言ってるのを見かけるが、普通の感覚を持っているモバイラーならまずやらないだろう。やるならせいぜいデスクトップPCだけにしておこう。

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