AMDはクリエイティブ用途も強い! 注目の「AMD Ryzen 9 9950X3D」「AMD Radeon RX 9070 XT」の実力を探った!
2025年03月28日 16時00分更新
「AMD Ryzen 9 9950X3D」の性能は申し分なし、「AMD Radeon RX 9070 XT」のコーデック性能は良好
それでは、テスト結果を順に見ていこう。今回は、「AMD Ryzen 9 9950X3D」と「AMD Radeon RX 9070 XT」を組み合わせたシステムを用意した。そのテスト環境は表のとおり。
| テスト環境の主なスペック | |
|---|---|
| CPU | AMD Ryzen 9 9950X3D(ベースクロック4.3GHz、最大クロック5.7GHz)、16コア/32スレッド、L3キャッシュ96MB |
| CPUクーラー | CoolerMaster「MasterLiquid 240L Core ARGB」 |
| マザーボード | ASRock「B850 Steel Legend WiFi」(AMD B850、ATX) |
| メモリー | Crucial「DDR5 PRO 32GB」(DDR5-5600 16GB×2) |
| ストレージ | Crucial「T705」(2TB M.2 SSD、PCIe 5.0) |
| ビデオカード | ASRock「AMD Radeon RX 9070 XT Steel Legend 16GB」 |
| 電源ユニット | ASRock「SL-1000GW」(定格出力1000W、80PLUS Gold認証) |
| OS | Microsoft「Windows 11 Pro」(64bit) |
まず「3DMark」(Version 2.31.8385)の総合スコアを見てみると、DirectX 11のテストである「Fire Strike」では、テスト解像度が3840×2160ドットのFire Strike Ultraで1万7000以上という高い結果を残した。
テスト解像度が1920×1080ドットであるFire Strike“無印”ともなると、スコアは5万を軽々と超えており、かなり威勢のいい結果だ。このあたりは、「AMD Radeon RX 9070 XT」が新世代のGPUらしく、そのパフォーマンスを遺憾なく発揮しているといっていい。それはDirectX 12のテストである「Time Spy」でも傾向は変わらず、テスト解像度が3840×2160ドットのTime Spy Extremeで1万4000台のスコアは立派の一言。
Steel NomadやSpeed WayではTime Spyより描画負荷が大きくなるため、どちらもさすがにスコアが低下してはいるものの、6000台というスコアは十分誇っていい結果だ。また、リアルタイムレイトレーシングのテストである「Port Royal」でも、2万に届きそうな勢いを見せており、「AMD Radeon RX 9070 XT」の実力は十分高いといっていい。
さらに、3DMarkにおける「CPU Profile」の結果も確認しておこう。このCPU Profileは、CPUのマルチスレッド処理性能を見るテストだが、結果を見ると2-threadで1-threadの約2.0倍のスコアを出し、4-threadで約3.8倍と順当にスコアを伸ばしている。しかし、8-threadで約7.2倍、16-threadになると約13.0倍と、次第にスコアの伸びは下がりつつある。
UL Benchmarksによると、16-threadのテストは、デジタルコンテンツ制作や3Dレンダリングなどの高い計算能力を必要とするタスクに向けたものという。つまり、クリエイティブ用途における「AMD Ryzen 9 9950X3D」の性能を推し量ることができ、この1万6000台というスコアは十分高いものだ。
「AMD Ryzen 9 9950X3D」のマルチスレッド処理性能は、3Dシーンをレンダリングする際のパフォーマンスを計測する「CINEBENCH R23」および「CINEBENCH 2024」でも確認できる。CINEBENCH R23ではシングルスレッド性能を示すCPU(Single Core)は2234だが、CPU(Multi Core)で約18.4倍の4万1183までスコアを伸ばしている。
一方、CINEBENCH 2024では、負荷が増大しているため、CINEBENCH R23よりスコアは低下しているが、CPU(Multi Core)はCPU(Single Core)の約16.7倍のスコアを発揮。スレッド数が増えるとスコアはそれに応じて高くなっており、「AMD Ryzen 9 9950X3D」のマルチスレッド性能は高いといっていいだろう。
続いて「Blender Benchmark」では、「Blender」(Version 4.4.0)を用い、「monster」「junkshop」「classroom」の3つのサンプルにおけるレンダリング性能を計測している。今回は、レンダリングに際し、「AMD Ryzen 9 9950X3D」のみを使用する場合と、「AMD Radeon RX 9070 XT」を利用してOpen CLで処理する場合の両方でテストした。
その結果だが、「AMD Radeon RX 9070 XT」は「AMD Ryzen 9 9950X3D」に対してmonsterで約5.6倍、junkshopで約4.4倍、classroomで約5.4倍と高い結果を発揮し、まさに格の違いを見せつけている。レンダリングは、CPUよりもGPUのほうが得意とする処理だが、「AMD Radeon RX 9070 XT」の性能は申し分ない出来だ。
さらに、「Davinci Resolve 19」を用いた書き出しに要する時間も測定してみたい。今回、「モンスターハンターワイルズ」を3840×2160ドットでプレーした約12分間の動画を用意した。それを、Davinci Resolve 19を使用して、1920×1080ドットのH.264形式のMP4で書き出ししてみた。すると、Ryzen 9 9950X3Dを使用した場合は35分弱もかかったのに対して、「AMD Radeon RX 9070 XT」は4分もかからず書き出しを終えた。これだけ高速であれば、ストレスを感じることなく、かなり快適に作業できるだろう。
クリエイティブ用途で死角なし! ゲームとの両立も可能な構成
以上のテスト結果から明らかなように、「AMD Ryzen 9 9950X3D」と「AMD Radeon RX 9070 XT」の組み合わせは、クリエイティブ用途でも高いパフォーマンスを発揮している。
とくに「AMD Ryzen 9 9950X3D」は、クリエイティブとゲーミング用途のそれぞれにおける高性能の両立を実現したCPUであり、すべての場面で最高性能が享受できる点は魅力的だ。さらに、「AMD Radeon RX 9070 XT」のコーデックを使用した際のパフォーマンスは非常に高く、クリエイティブな作業がかなりはかどることは間違いない。
もし、「AMD Ryazen 9 9950X3D」および「AMD Radeon RX 9070 XT」にゲーミング向けの製品という認識を持っているのであれば、クリエイティブ用途でも高性能を発揮するCPUとGPUであるとその認識を改める必要がありそうだ。










