エリアLOVEWalker総編集長・玉置泰紀のアート散歩 第32回

松屋銀座に毒と薬に異常な執着を持つ薬屋の娘・猫猫と謎多き美形の宦官・壬氏が登場。『薬屋のひとりごと』初の展覧会は工夫と原作愛がたっぷり

文●写真●玉置泰紀(一般社団法人メタ観光推進機構理事)

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 シリーズ累計発行部数4000万部を突破した日向夏氏原作の大人気作品『薬屋のひとりごと』が、初の展示イベントとして登場!東京・松屋銀座で3月26日、展覧会がスタートした(4月14日まで)。福岡、新潟での巡回が予定されている。

 同作品は、後宮を舞台に、毒と薬に異常な執着を持つ薬屋の娘・猫猫(マオマオ)と、謎多き美形の宦官・壬氏(ジンシ)が難事件に挑む謎解きエンターテインメントで、TVアニメ化で注目を集めている。

 3月25日のプレス内覧会には、声優の悠木碧さん(猫猫)と大塚剛央さん(壬氏)が登壇。『薬屋のひとりごと』ファンの一人として、筆者も会場に駆け付けた。

 同作品は、TVアニメでは、2023年10月放送の第1期に続き、2025年1月から第2期が放送中で、ますます盛り上がりを見せている。本展では、名シーンの立体再現や映像展示に加え、初公開の原画、画コンテ、美術設定などの貴重な資料を通じて、アニメの美しい世界観と制作の裏側に迫る。メイキングエリアでは、スタッフのこだわりが詰まった映像美を余すことなく楽しめる。

 この展示会は、アニメ『薬屋のひとりごと』の世界観やキャラクターの魅力を存分に楽しめる内容となっていて、会場には原画や立体的なセット、フォトスポットなどが用意され、制作スタッフのこだわりが詰まった展示が嬉しい。原画、3D模型、フォトスポット(例: 壬氏の「これ、毒です」シーン再現)はファンにはたまらないし、メイキングについても詳しい展示があり、監督やスタッフのこだわりが垣間見える資料がふんだんに用意されている。 グッズでは、刺繍トートバッグや缶バッジ、キャラをイメージした香水などがおすすめで、 コラボカフェも、「薬屋のひとりごと麺」や壬氏の「媚薬チョコムースパフェ」などユニークなメニューが並ぶ。

 会場を訪れた悠木さんと大塚さんは、本作でキャラクターを演じるにあたって感じた変化や思いを語ってくれた。

 悠木さんは、展示については、「世界観やキャラクターの表情が詰まった素晴らしい空間」と絶賛。特に、細部まで作り込まれた3Dの建物模型やスタッフの愛情が感じられる展示に感動した、という。また、主人公・猫猫を演じるにあたって感じた変化についても触れた。演技面では、猫猫の「サバサバした表層と熱い内面のバランス」を意識し、最近その配分をつかみ始めたと語った。

 「猫猫を演じるにあたっては、サバサバ 行こうというのが猫猫のポイントかなと思って おりまして。で、そのサバサバには裏にしっかり熱い情が!っていうのが彼女のいいところ かなと思います。そのなんでしょうね、この冷たさと、何て言いますか、情の脆さみたい なもののバランスですね。あと、ちょっとの正義感」

 本展のグッズでは、トートバッグやポーチに刺繍を使ったものがあり、刺繍が好きだという悠木さんはおすすめとのこと。展示会は「体感型で、初見の人からファンまで楽しめる」と来場を呼びかけた。

 大塚さんは、壬氏を演じる視点から、第一期での「見え方のグラデーション」を意識した役作りを明かしてくれた。収録では、第一期は個々の収録が多かったが、第二期から全員での掛け合いが増え、作品の空気感がより深まったと感じている、という。展示では、衣装や部屋の再現、第一期の名シーンを体験できるコーナーが見どころだと紹介。特に、壬氏と猫猫の関係性の変化を楽しめる展示に注目してほしいと語った。「見どころだらけの展示と素敵なグッズを楽しんで」とファンにメッセージを送った。

あのシーンやこのシーン!? 劇中の名シーンの立体造作再現、映像展示に加えて、初公開となる貴重な原画や画コンテ、美術設定などの中間制作物も活用した展示は見逃せない

 本展では劇中の名シーンの立体造作再現、映像展示に加えて、初公開となる貴重な原画や画コンテ、美術設定などの中間制作物も活用し、こだわりの映像美に迫るメイキングエリアで、『薬屋』の世界を存分に展示している。TVアニメ『薬屋のひとりごと』の魅力が濃縮された展覧会と言える。

 会場エントランスでは、本展描き下ろしの華麗なキービジュアルと、訪れたファンを『薬屋のひとりごと』への世界へと誘う門が待っている。

 キャラクター紹介エリアは、本展にて初公開となる貴重な原画や絵コンテ、そしてアニメの設定資料を用いてキャラクターの魅力を掘り下げている。

 園遊会での猫猫になりきり!?毒見フォトスポットも。TVアニメ『薬屋のひとりごと』の世界に入り込んだような写真が撮影出来るフォトスポットが多く用意されている。筆者も挑戦。

 第一期のクライマックスの一つにもなった、実の父、羅漢との対峙。軍師であり象棋も得意な羅漢との、猫猫の象棋の勝負、そして、羅漢の切ない過去の辺りも素晴らしい展示に。様々な小物も多く再現され、見ごたえたっぷりだ。

■音声ガイド

 もちろん、猫猫、壬氏のふたりとめぐる。本展のために録り下ろされた完全オリジナルストーリーとボイスが楽しめる。

■コラボカフェ

 本展と同じ松屋銀座8階の「MGカフェ」にて、TVアニメ『薬屋のひとりごと』展東京会場の開催期間中、TVアニメ『薬屋のひとりごと』をモチーフにしたオリジナルメニューが楽しめるコラボカフェが開催される。劇中のシーンやキャラクターをイメージしたメニューが多数登場する。

 猫猫の痺れ麻婆丼や、とある妓女が麦稈をトリックに使った二層のドリンクなど、劇中の名シーンやキャラクターをモチーフにしたメニューが用意されている。ここでしか手に入らない、本展キービジュアルを使用したノベルティもプレゼント予定。

※整理券での案内を予定している。整理券がなくなり次第、当日の案内は終了する。

■展覧会グッズ

 公式ショップ利用の際は「入場チケット」「グッズ付き入場チケット」「日時指定 入場整理券」「招待券」のいずれかが必要。公式ショップのみの利用はできない。 公式ショップは会場の最後にありますので、先に公式ショップを利用することもできない。 また、公式ショップから展示会場には戻る事も出来ない。

 公式ショップでの会計時に、展覧会入場時に提示したチケット、または「日時指定 入場整理券」の確認を行う。 公式ショップでの会計は、入場1回につき、一人1回限り。 また、複数人数分をまとめての会計はできない(1会計=1名分のみがルール)。

 ユニークで原作愛に満ちたグッズがそろっていて、見ているだけでも楽しい。

■開催概要(東京会場)

展覧会名:TVアニメ『薬屋のひとりごと』

クレジット:Ⓒ日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会

会期: 2025年3月26日~4月14日 ※日時指定制

会場: 松屋銀座(東京都中央区銀座3丁目6−1) 8階イベントスクエア

時間: 11:00~20:00(※一部日程で変動、最終日は17:00閉場)

入場料: 一般1,800円、高校生900円、中学生700円、小学生500円、グッズ付き3,900円(税込)

公式HP: https://kusuriya-exhibition.jp/

公式X: @kusuriya_ex

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