AMDは3月11日、第5世代AMD EPYC Embeddedプロセッサを発表し、x86組み込みプロセッサのポートフォリオを大幅に強化した。特にEPYC Embedded 9005シリーズが注目されており、これらはネットワーキング、ストレージ、産業向けエッジ市場におけるパフォーマンスと効率性の向上を目指している。
第5世代AMD EPYC Embeddedプロセッサは、サーバーグレードの性能を提供する「Zen 5」アーキテクチャを採用している。この新しいプロセッサは、シングルソケットで8コアから最大192コアまで対応可能で、計算負荷の高い組み込みシステム向けに設計されている。卓越したコア密度を実現することで、ネットワークおよびセキュリティファイアウォールプラットフォーム、ストレージシステム、産業用制御アプリケーションに最適な選択肢となる。
EPYC Embedded 9005シリーズは、優れたエネルギー効率とともに、最大1.3倍のスループット向上を提供するとされている。また、ソケットあたり最大6TBのDDR5メモリに対応し、最大160本のPCIe Gen5レーンを備えた拡張I/O接続により、高速なデータ転送も可能にしている。
このプロセッサは、最大7年間の製品製造サポートを提供し、組み込み市場における長寿命の製品ライフサイクルを確保するためのサポートも充実している。さらに、マルチホスト構成での高可用性を強化するNTB (Non-Transparent Bridging)や、電源障害時のデータ損失を防ぐ機能も備えており、過酷な環境での信頼性を提供する設計となっている。
データやAI、HPC向けに設計されたシステムを含むさまざまなプラットフォームでの導入が見込まれており、CiscoやIBMなどの主要テクノロジーパートナーを通じて提供される。現在、一部のカスタマー向けに先行提供中であり、2025年第2四半期からの本格展開が予定されている。


