もう1つの時間帯が表示できるGMTモデル 操作法はスタンダード
今回同時に発表されたFAARVEE GMTモデルも多くの独立系腕時計に採用されている「MIYOTA 9075 True GMT Automatic」というベストセラーのムーブメントを採用している。一部の動画サイトでは、このムーブメントの「True GMT」操作方式は珍しいという解説もあるようだが、どちらかと言えば昨今では最もスタンダードで安心できるGMT用の操作方法だ。
リュウズは、ゼンマイを巻くときの一番押し込んだ位置(A)と、時針(短針)だけを回転させて時刻と日を変える1段引っ張った位置(B)、そして時刻(時分)の設定に使う2段引っ張り出した位置(C)の3段階。True GMTと言われるのは(B)位置で、時針だけを1時間単位で前後に回転させて、現地時間に即座に設定できるところだ。抵抗値イメージのGMT針は(C)位置での時刻合わせ時に同期連動する。
日本から海外出張に行った場合は、到着した現地で(B)位置で時針を1時間間隔で前後して必要なら日の設定と合わせてローカルタイムに設定する。ホームタウン(リモート)である日本の時刻はGMT針で読むことになる。帰国時はその逆の設定をするだけだ。
今回のFAARVEE GMTモデルの文字盤の6時位置上にGMT針と同色で「FLYER GMT」とニックネームが描かれているのは、超簡単な現地時間の設定のイメージだろう。LAARVEE GMTに限らず筆者が愛用している「Grand Seiko SPRING DRIVE GMT」も「TUDOR BLACK BAY PRO(GMT)」もムーブメントは異なるが、同様のポピュラーなTrue GMT操作方式だ。
GMT系の腕時計を手に入れると筆者の興味の1つは蓄光技術による暗い場所での時刻の視認性能。今回もFAARVEE GMTモデルを中心に比較的新しいTUDORやROLEX AirKing、Grand Seiko GMTなどと比較してみたがFAARVEE GMTモデルがベゼル上の時刻表示も含め最も長く文字を視認できた。
FAARVEE GMTモデルの何ヵ所かには2つのハートが重なったアイコンが描かれている。「Heart by Heart(心を込めて)」という同社のタグラインを現わしたモノのようだ。商品到着日の夜にブレスのサイズ調整をしたが、付属の精密ドライバーで極めて簡単だった。ブレスは3連のスポーツブレスだが中央列部分は光沢のある鏡面。そこを挟む両端列がマットでオシャレで落ち着いたイメージだ。
ブレスに関してちょっと残念だったのは前作のCrashed Submarinerではダブルロックで高級感のあるワイドサイズな外観だったが、今回のFAARVEE GMTモデルではブレス幅がスリムになりシングルロック方式に変わっていた。スポーツモデルとFLYERモデルの違いという位置づけなのかもしれない。
MIYOTAのTrue GMTキャリバーをベースにしたLAARVEE GMTはその奇抜な外観とは正反対の、真面目な大人の腕時計だ。多少ミーハーカラーのコンビではあるが現時点では「Laarvee out(受注停止)」となっている一番人気のLAARVEE GMT ペプシカラー限定モデルの再販が期待されるところだ。

今回の衝動買い
・LAARVEE WATCH PEA001GMT-SBLRDBK
・購入:FAARVEE Webサイト(https://www.laarvee.com/)
・価格:729ドル(日本までの送料込み:本体699ドル)
T教授
日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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