昨年12月7日~11日にかけ、サンフランシスコでIEDM(International Electron Device Meeting) 2024が開催された。IEDM 2024の第4弾は、2-1の"Silicon RibbonFET CMOS at 6nm Gate Length"を紹介しよう。インテルのプレビューでは下の画像が該当する。
RibbonFETにはゲート長6nm、フィン厚3nmが最適
この論文では、複数枚のRibbonではなく1枚だけのRibbonを構成し、その特性を調べるとともに、ゲート長およびゲートの厚みが性能に与える影響を評価し、最終的にゲート長6nm、フィンの厚みを3nmとすることで極めて性能の良いRibbonFETが構築できることを確認した、というものである。
FinFET構造が使われるのは3nmあたりのノードまでで、それより微細化するにはGAA(Gate All Around)が有望であり、さらにその先はNMOSとPMOSを縦に積み重ねるCFET構造が有望、という話は連載803回で紹介した招待講演でも語られている話でもある。
こうした将来のRibbon FETに向けて今回試作したのは、ゲート長が6nmというトランジスタである。
ちなみにこの中央の写真は、トランジスタを横から見たもの(下の画像でいう所の赤矢印方向)である。従来ゲート長とCPPは上の画像の左側のように、おおむね比例関係があったのだが、CPPが30nmを切ったあたりからゲート長は10nm程度で停滞していた。これをさらに短縮できる、というのが今回のポイントとなる。
黄色については後述する。Ribbon FETの図はインテルのサイトから拝借した
CPPというのは要するにトランジスタのゲート同士の間隔である。上の画像の写真は、2つのRibbon FETが並んでおり、間にSource/Drainの端子(S/D EPIはSource/Drainを構成する部分で、その上にコンタクト電極であるCONがつながっている)が入るわけだが、トランジスタの密度を上げようとすると、CPPを小さくしなければならない。
そのためにはS/D EPIを含む電極の薄型化はもちろん重要だが、もう1つはゲートの厚みを薄くすることも効果的である、とする。

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