あけましておめでとうございます。2025年が皆さまにとって明るく希望に溢れる1年となりますように。
本年も、三菱一号館美術館をどうぞよろしくお願いいたします!
現在当館では1月26日(日)まで「再開館記念『不在』―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」展を開催しています。
本展は、私たちとしては初めて、現代アーティストと協働した展覧会となっています。当館が誇るトゥールーズ=ロートレックのコレクションと昨年「高松宮殿下記念世界文化賞」を受賞したフランスを代表する現代アーティスト、ソフィ・カルさんの作品をお楽しみください。
ソフィ・カルさんの展示については以前の記事でご紹介しておりますので、そちらをご覧ください。
「現代フランスを代表するアーティスト、ソフィ・カルとは? 三菱一号館美術館再開館記念展では「不在」がテーマの新作も登場」
https://lovewalker.jp/elem/000/004/224/4224454/
さて今回は、トゥールーズ=ロートレックの見どころをご紹介したいと思います。
まずは、当館が所蔵するトゥールーズ=ロートレック コレクションから13年ぶりにポスター全32点を一挙公開しています。それも、大部分がロートレックが生前まで手元に置き、親友のモーリス・ジョワイヤンに託した、状態が良く色鮮やかで貴重な作品群となっています。そして、フランス国立図書館からお借りした作品と当館が所蔵する《ロイ・フラー嬢》計10点により、1点1点違う色の版画作品を鑑賞できる貴重な機会にもなっています。
ほかにも、実はファンが多いロートレックによる「博物誌」(ジュール・ルナール作)の挿絵も当館として初めて全22点を一挙公開しています。幼少期から馬や鷹、犬など身近な動物を描き続けた画家ならではの優れた観察眼と正確なデッサン力、挿絵画家としてのデザイン性が見事に両立したロートレックの挿絵本の傑作といわれています。
そして、新春1回目のコラムということで干支にちなんだ作品もご紹介します。今年の干支のヘビとロートレックとどんな接点が?と思われることと思いますが、下の画像をご覧の通り当時人気だったダンサーのジャヌ・アヴリルにヘビが巻き付いています。
この作品は、1899年にすでに健康を害していたロートレックにジャヌ・アヴリルが最後に注文したポスターです。残念ながら実際に貼りだされることはありませんでしたが、身体にからみつくような優美な曲線を描くヘビの柄の衣裳を表すために、黄色と青色のグラデーションを試みた、技法に対するロートレックの飽くなき探求心が窺える意欲作です。
ジャヌ・アヴリルはロートレックの生涯にわたりお気に入りのモデルでもありました。
本展では、ぜひロートレックが描く線の美しさやグラフィカルなデザイン性にも注目してご覧いただけたら幸いです。
三菱一号館美術館 再開館記念『不在』―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル
会期:2024年11月23日(土)〜2025年1月26日(日)
https://mimt.jp/ex/ls2024/
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