このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

Hondaのフラッグシップは「レジェンド」 異論は認める! 自動運転レベル3を初搭載した野心的なセダン

2025年01月05日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
ホンダ

今年で見られなくなってしまう「レジェンド」を振り返る

 各自動車メーカーには象徴的なクルマ、いわゆるフラッグシップモデルが存在します。最新の技術がてんこ盛りだったり、ブランド力だったり。しかし、現在のHondaのフラグシップが550万円の「アコード」って、ちょっと寂しいと思いませんか? そこで2022年1月までHondaのフラグシップだった「レジェンド」を例に、レジェンド伝説に触れていきます。

ホンダ

 同社初の3ナンバー仕様フラグシップとしてレジェンドが誕生したのは1985年のこと。海外メーカーの協力などを得て、車内の高級感を高めただけでなく、同社初のV型6気筒エンジンを搭載しました。その後、レジェンドはFF車では世界初となるトラクションコントロールシステム(TCS)を標準搭載したほか、ウイングターボ(可変ノズルターボ)、日本車初の助手席エアバッグ、前後輪と後輪左右の駆動力を自在に制御するSH-AWD、世界初の自動運転レベル3など、独自の技術を搭載し、人々を驚かせてきました。

 その一方で、バブル期以降と時を重ねる「セダン冬の時代」にあらがうことはできず、5代目が2021年12月に生産完了。翌年1月末に販売終了となり、37年の歴史に幕を下ろしました。

ホンダ

 レジェンド伝説の最後を飾ったのが、2021年3月に100台限定生産した「Hybrid EX・Honda SENSING Elite」。ちなみに、当時の価格は1100万円。通常のレジェンドが約725万円だったので、約300万円以上の開きがありました。しかもリース専用車で、3年のリース期間終了後はすべて回収されるというから驚き。

 つまり、2025年(今年)には街で見かけることがなくなるという超レア車! この記事を読んで欲しいと思っても、中古で買うことができない、というわけです。普通のレジェンドは買えますが。

ホンダ
ホンダ
ホンダ

 ボディーサイズは全長5030×全幅1890×全高1480mm。これはメルセデスのE-ClassやBMW 5シリーズ、アウディ A6あたりと同寸。ですが、価格はHybrid EX・Honda SENSING Eliteが約200万円ほどお高く、しかもリース……。やっぱりリース販売というのは引っ掛かってしまいます。

ホンダ

 車体後方、ナンバープレート付近には「AUTOMATED DRIVE」というシールがペタリ。「どうしてHondaはこんなデザインにしたんだ?」と思ったのですが、これは国土交通省自動車局技術政策課が考えたものなのだとか。ちなみに付けないことによる罰則はないとのことで、剥がすのも自由です。

レジェンドが自動運転レベル3時代を切り開いた

ホンダ
ホンダ
ホンダ

 車体を見回すと、あちらこちらにセンサーがいっぱい。もちろんこれらは自動運転レベル3に必要なものになります。では、自動運転レベル3とは一体何なのでしょう?

ホンダ

※国土交通省のサイトより

ホンダ

※国土交通省のサイトより

 現在普及している自動運転はレベル2と呼ばれるもので、ドライバーによる監視を必要としています。車種によってはハンズオフ機能がありますが、基本的にドライバーは前を向いている必要があります。ですが、レベル3になるとシステムが監視するので、適切に対応できればドライバーは監視する必要はない、と受け取れます。言い換えるならレベル2は「部分的な運転自動化」で、レベル3は「条件付き自動運転」となります。

ホンダ

 そんな自動運転レベル3ですが、2018年に登場したアウディ A8が世界初になると思われていました。ですが各国の法整備の問題から、レベル3機能は見送られることに……。ちなみに当時のお値段は1140万円~。そんな中、Hondaはトヨタや日産に先がけて日本でレベル3搭載車を発売したのです。

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ