丸の内で「世界記憶遺産×日本遺産展」夫を思う妻の日記やラーゲリの写真など、舞鶴に残るシベリア抑留の記録を展示

文●風都ナツメ(LoveWalker編集部)

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特別展示「京都舞鶴-世界記憶遺産×日本遺産 巡回展in丸の内」

 12月26日(木)まで、KITTEで特別展示「京都舞鶴-世界記憶遺産×日本遺産 巡回展in丸の内」が開催中です。

 京都府舞鶴市の港では、第二次世界大戦後に旧満州やシベリアから引揚者・復員兵を迎え入れたことから、「海外引き揚げ事業とシベリア抑留の史実を、次世代に継承する事業」がユネスコ世界記憶遺産に登録されています。本来なら舞鶴引揚記念館に行かないと見られない貴重な資料が丸の内に展示されます。

ラーゲリ強制収容所からの想いを留める記録たち

 12月26日(木)まで、KITTE地下1階の東京シティアイで、特別展示「京都舞鶴-世界記憶遺産×日本遺産 巡回展in丸の内」が開催されています。

 今回の目玉展示は「11年間の家族の絆」。シベリア抑留体験者の北田 利(きただ・とし)氏が1956(昭和31)年に舞鶴港に帰還するまでの11年4カ月の間、遠く離れた家族を思いやる気持ちに満ち溢れた記録です。

東京初展示となる「妻の日誌」

 東京初展示となる利氏の妻・はま子氏が綴った3冊の「妻の日誌」は、利氏の安否を気遣う様子を日常生活とともに鮮明に描いたもの。利氏からの葉書が届けられた時の家族3人で喜ぶ様子が、親子の会話とともに描写されています。利氏宛ての俘虜用郵便葉書には書けなかった、本当の想いなども記されています。

 ほかに展示は北田氏と家族がやり取りした「俘虜用郵便葉書」(8点)と、ラーゲリ(収容所)で撮影された「ハバロフスク第2収容所での集合写真」(1点)など。

 街路に戦艦名が付いた「新舞鶴市街地図」も東京初展示。展示物以外にも、舞鶴の土産品などが並びます。

東京初展示となる「新舞鶴市街地図」

新舞鶴市街地図


特別展示「京都舞鶴-世界記憶遺産×日本遺産 巡回展in丸の内」
開催場所:東京シティアイ パフォーマンスゾーン
住所:東京都千代田区丸の内2-7-2 KITTE地下1階
開催日時:2024年12月23日(月)~26日(木)10:00~19:00
入場料:無料


文 / 風都ナツメ(LoveWalker編集部)

東北出身。
居酒屋や旅先では初めて見る郷土料理や海外メニューを頼みがち。