このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す! 第269回

今の楽天モバイルってどうなってる? メイン回線で使える? 速度低下はどう?

2024年11月24日 12時00分更新

文● 正田拓也 編集● ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 各社から格安な新料金プランが登場するたびに、比較対象とされる楽天モバイル。2020年4月の正式サービス開始以降、月3278円でデータ無制限という部分は事実上据え置きなのだから、その強さは確かだ。

 一方で、当初はエリアの問題が頻繁に言われてきており、また最近では800万回線を超えた影響もあるのか、混雑による速度低下の声もSNSでは見られるようになってきた。そこで今の状況をまとめてみたい。

楽天モバイル

月3278円でデータ無制限という強味は今も変わらない楽天モバイル

都市圏にいる限りエリアの穴はほぼ感じなくなったが
特定場所で苦しいことも

 まず、楽天モバイルと言えばエリアの問題。ネットワークをゼロから整備をしたため、開始直後は穴だらけ。東名阪の中心部以外についてはauへのローミングでしのいでいたが、ローミングのエリアでは月5GBまでという上限が設定されていた。

 その後は、一時期のローミング縮小、そして2023年5月に方針転換して一転継続となり、都市部の一部繁華街やインドアでもローミング提供を開始。その際に「Rakuten最強プラン」を導入して、auローミングエリアでの通信量制限がなくなって、どっちのエリアかを気にせずに使えるようになった。

 筆者自身も楽天モバイルを使っているが、サービス開始からしばらくして、劇的にエリアが広がった時期があり、それ以降はあまり不便を感じなくなり、その後はじわじわと細かな穴を埋めていったという印象だ。

 たとえば、スーパーやコンビニのレジでバーコード決済をする際に圏外だと大きな問題だが、地下のお店などでも困ることがほぼなくなっている。

 ただし、筆者の行動範囲は主に首都圏の都市と近郊まで。自分ではあまり困っていないが、山間部で使うという人は通信状態が悪いこともある(auのローミングがあると言っても、auのエリアがそのまま楽天モバイルのエリアとなるわけではない)。以前、地方で山越えの国道を走行しているとき、楽天モバイルだけが圏外になった経験がある。地方に行けばエリアが不十分なことがある点は注意だ。

楽天モバイル

左が楽天モバイル、右がauのサービスエリア。山間部や極端に人口が少ない場所では、必ずしもauローミングの提供を受けていないのか差がある

通信速度は大体満足だが
ラッシュ時の電車などで激遅になることも

 都心部ではエリアの穴はかなりなくなっているが、最近筆者が直面しているのが速度低下。特に混雑エリアでの速度低下が著しいと感じる。また、11月13日の決算説明会では、東京メトロにおける速度改善の発表があったが、それだけ地下鉄での通信環境に対する声が、ユーザーから上がっているということなのだろう。

楽天モバイル

楽天グループの決算説明会の資料から。地下鉄ホームでの改善をアピールしている

 地下鉄のホームは一般的な建物内と同じく、エリア整備が難しい場所と言える。実際にテストしても速度低下が著しい。ソフトバンク回線のLINEMOはここでは整備が充実しているのか超高速だが、ほかの会社もかなり落ちている。

17時30分頃の地下鉄駅 下り 上り
楽天モバイル 0.63 1.80
LINEMO 251.00 19.20
povo2.0 2.08 4.04
IIJmio(ドコモ) 8.91 27.35

 しかし、都心部でより問題を感じるのは、電車が走行している駅と駅の間だ。電車内の乗客の通信が同じ基地局に集中するわけでラッシュ時だと絶望的になる。

 そうした状況は短時間なので、比較できるような数字は計測できていないが、他社ネットワークでは速度が低下しながらもなんとか通信ができている印象だが、ラッシュ時の楽天モバイルはそれを通り越して通信不能になることがある。これでは実用にならないという人もいるだろう。

 この問題については、同社に割り当てられる周波数帯が増加することで他社並に改善する可能性はあるが、当面は最大の弱点となりそうだ。また、駅間と同様に駅のホームでの速度も決して十分ではない。電車を待ちながら経路検索したり、会社に連絡をする場合に不利になる。

 一方で東京駅前では十分な基地局整備ができているのか、似たような時間帯に爆速を記録している。やはり基地局の整備状況次第ということになりそうだ。

18時頃の東京駅 下り 上り
楽天モバイル 88.50 29.70
LINEMO 508.00 82.20
povo2.0 316.00 65.60
IIJmio(ドコモ) 101.00 57.40

 このほかにも、平日午前や昼食時間帯の速度は住宅地で速度を計っているが、人口集中場所ではないところではほとんど低下を感じない。

11時頃の住宅街 下り 上り
楽天モバイル 60.60 24.20
LINEMO 37.70 4.32
povo2.0 26.40 6.69
IIJmio(ドコモ) 147.00 21.30
12時45分頃の住宅街 下り 上り
楽天モバイル 65.10 23.80
LINEMO 99.00 10.10
povo2.0 141.00 22.00
IIJmio(ドコモ) 56.00 6.51

 つまりリモートワーク中心の人は速度低下の影響は少ないと言える。逆に地下鉄やラッシュ時の鉄道を頻繁に使う人は、楽天モバイルの利用には注意したほうがいいだろう。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン