「Samsung Magician」でモード変更
オーバープロビジョニングでさらに性能アップ!
Samsung製SSDの魅力のひとつとなっているのが、SSD用ソフトウェア「Samsung Magician」が利用できること。これはSSDのファームウェア更新やステータスの確認ができるだけでなく、SSDの移行、ベンチマークなど、SSDを扱う上で便利な機能が多数搭載されているものだ。
このソフトでぜひ利用したいのが、オーバープロビジョニングだ。これは、フラッシュメモリーの一部をキャッシュのように使い、アクセスを最適化してくれるもの。性能が向上するだけでなく、書き換え回数そのものを減らせるため、フラッシュメモリーの寿命を延ばせるというメリットがある。
このオーバープロビジョニングは手動でも設定できるが、手軽なのは、「パフォーマンスMode」を変更することだ。標準は「Standard Mode」でオーバープロビジョニングが無効になっているが、性能重視の「Full Performance Mode」、もしくは、電力重視の「Power Saving Mode」に変更すれば、オーバープロビジョニングが有効化される。
試しに「Full Performance Mode」へと変更してみたところ、一度再起動が必要となるが、問題なくオーバープロビジョニングが有効化されていた。この状態で、どのくらい性能が変わるのかを試してみた結果がこれだ。
シーケンシャル性能は変化していないが、ランダム性能が向上。とくにライト性能は10%ほど向上しており、明らかに効果があった。
ただし、SSDの記録容量が約10%減少する点には注意。なによりも容量重視で使いたいというのであれば、オーバープロビジョニングは無効化しておいた方がいいだろう。とはいえ、性能向上と寿命の延長効果が期待できるだけに、容量をそこまで重視しないのであれば、有効化しておく方がよさそうだ。
容量不足時の増設用はもちろん、メインにも
前モデルは速度面で不満のある製品だったが、この990 EVO Plusはその欠点を克服し、実測でリード7000MB/s以上という速さを実現しているのが魅力。とくに、容量不足時の増設用としては、有力な候補となってくれる。
OSを入れるシステム用途として使う場合は、DRAMを搭載する上位モデルの方がいいのは確かだ。とはいえ、速度重視のゲーミングPCや業務用のPCなどでない限り、そこまでストレージ性能の影響は大きくない。普段使いのPCであれば、コスパを考え990 EVO Plusをシステム用に選ぶのも、正解のひとつではないだろうか。
もちろん、より大容量で価格が安く、速度も速いという製品は他にもある。しかし、大切なデータを扱うことを考えれば、安定性や信頼性の面もおろそかにしたくない。そんな人に選んでほしいSSDといえるだろう。
この連載の記事
- 第453回
デジタル
性能も上がったが消費電力も増えた「Ryzen 7 9800X3D」最速レビュー、AI推論の処理速度は7800X3Dの約2倍! - 第452回
自作PC
Core Ultra 200Sシリーズのゲーム性能は?Core Ultra 5/7/9を10タイトルで徹底検証 - 第451回
自作PC
Core Ultra 9 285K/Core Ultra 7 265K/Core Ultra 5 245K速報レビュー!第14世代&Ryzen 9000との比較で実力を見る - 第450回
デジタル
AGESA 1.2.0.2でRyzen 9 9950Xのパフォーマンスは改善するか? - 第449回
デジタル
Ryzen 9000シリーズの性能にWindows 11の分岐予測改善コードはどう影響するか? - 第448回
デジタル
TDP 105W動作にするとRyzen 7 9700X/Ryzen 5 9600Xはどの程度化ける? レッドゾーン寸前を攻める絶妙な設定だが、ゲームでの効果は期待薄 - 第447回
デジタル
Zen 5とTDP増でゲーム性能は向上したか?「Ryzen 9 9950X」「Ryzen 9 9900X」の実力チェック - 第446回
デジタル
「Ryzen 9 9950X」「Ryzen 9 9900X」は“約束された”最強のCPUになれたのか? ベンチマークで見えた利点と欠点 - 第445回
デジタル
「Ryzen 7 9700X」「Ryzen 5 9600X」のゲーミング性能はゲームキングRyzen 7 7800X3Dに勝てる? - 第444回
sponsored
AI時代だからこそNVMe SSDで強化!! 新登場「WD BLUE SN5000」速攻レビュー