昨今のデザインブームの火付け役である英国人、サー・テレンス・コンラン(Sir Terence Orby Conran 1931-2020)の人物像に迫る日本初の展覧会が、東京ステーションギャラリーで開催されています。
バウハウスやアーツ・アンド・クラフツに影響を受け、ブリティッシュ・ポップアートの旗手エドゥアルド・パオロッツィにテキスタイル・デザインを学んだコンラン。テキスタイルや食器のパターン、家具のデザインから、今で言うところのライフスタイルショップ「ハビタ」や「ザ・コンランショップ」の経営で成功を収めました。
デザイン分野での功績はそれだけにとどまらず、デザイン奨励と社会貢献を目的に1989年、世界初のインダストリアル・デザインの美術館を設立するなど社会への還元も積極的に行い、1983年に英国王室より騎士(Knight Bachelor)に叙勲、サー(Sir)の敬称を許された現代を代表するデザイナーです。
東京ステーションギャラリー「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」展では、パターン・デザインした食器やテキスタイルなどの初期プロダクト、家具デザインのためのマケット、ショップやレストランのためのアイテムがびっしりと並べられています。
また、コンランの発想の源でもあった愛用品をはじめ、著書、写真、映像など300点以上の作品や資料が、いつもの赤レンガの展示区間に、鉄パイプをむき出しにした現代アートのようなスタイリッシュさで展示されています。
そうした展示品の合間合間にコンランから影響を受けたたくさんの人々のインタビュー映像が常時流れており、目で観るだけでなく耳からも「コンラン像」を得られるスペシャルな展覧会となっています。
鑑賞後はザ・コンランショップでお得にお買物!
さて、そんな「コンラン展」を鑑賞した人に、新丸ビル3階・4階にある「ザ・コンランショップ 丸の内店」でのお買い物が割引となる、とてもお得なサービスが提供されています。
「コンラン展」の入館記念券、招待券、「共通招待券」のいずれかを、ザ・コンランショップ 丸の内店(新丸ビル3階・4階)で提示すると、当日のお買い物代から何と500円の値引きをしてもらえるのです!
展覧会チケットの半券を見せるとサービスが受けられる催しは、ほかの展覧会でも時折見かけますが、ここまで太っ腹(500円割引)でお得なサービスはこれまで見たことがありません。「コンラン展」開催に際し、彼が手掛けた「ザ・コンランショップ」との何かしらの企画があるのではと期待していましたが、想像以上の展開に正直驚いています。
「Plain, Simple, Useful(無駄なくシンプルで機能的)」なデザインが生活の質を向上させると信じ、個人の生活空間から都市、社会までを広く視野に入れ、デザインによる変革に突き進んだサー・テレンス・コンランの日本初展覧会を鑑賞した後は、ザ・コンランショップ 丸の内店で家具や照明、インテリア⼩物からキッチン・バスアイテム、ギフトまで、世界中から集めたインスピレーショナルなプロダクトを実際に手に取ってみましょう。
「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」
会場:東京ステーションギャラリー
開催期間:2024年10月12日(土)〜2025年1月5日(日)
時間:10:00~18:00(金曜日~20:00)*入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日(ただし10月14日、11月4日、12月23日は開館)、10月15日(火)、11月5日(火)、12月29日(日)~2025年1月1日(水)
ザ・コンランショップ 丸の内店(The Conran Shop Marunouchi)
所在地:東京都千代⽥区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング3・4F
営業時間:11:00〜21:00 / ⽇・祝祭⽇ 11:00〜20:00
(連休は最終⽇を除いて21:00まで営業)
定休⽇:なし
2つの階にまたがる店内は、各階ごとに異なるアイデンティティを持っています。3階は⽩と青を基調とした、クリーンで明るい、インダストリアルなスペース。ラボのようなミニマルでコンテンポラリーな空間に選りすぐりのデザインアイテムが並び、ファッションアイテムの取扱いとして、クリエイティブディレクター南貴之⽒によるブランド「Graphpaper(グラフペーパー)」がラインナップ。対照的に、4階はウッドのフロアが温かみを感じさせる、上質で落ち着いた雰囲気の空間。家具や照明を中⼼としたこのフロアでは、ザ・コンランショップが提案する様々なスタイルを紹介しています。
この連載の記事
- 第36回
地方活性
三菱一号館美術館のCafé 1894で明治時代のレトロ空間にタイムトリップ! 料理もハイクオリティで再オープンが待ち遠しい! - 第35回
地方活性
東京藝大が誇る才能あふれる若きアーティストたち! レベルの高いアートが無料で楽しめる - 第34回
地方活性
信長、秀吉、家康が愛した幻の茶道具が11月4日まで公開! 担当学芸員の見どころコメントで予習して、静嘉堂@丸の内へ - 第33回
地方活性
1966年開館の歴史あるあの美術館がまもなく休館! 楽しめるのは今年のクリスマスまで! - 第32回
地方活性
ロートレックとは何者か? 三菱一号館美術館・安井学芸員渾身の一冊『ロートレック作品集』 - 第31回
地方活性
フォロンとともに空想旅行へ! 学芸員が語る、想像力による参加型を目指した「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」の魅力 - 第30回
地方活性
希代のマルチアーティストの30年ぶりの大回顧展が東京ステーションギャラリーで開催! 「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」担当者にその魅力を聞いてみた - 第29回
地方活性
毎日アート情報を発信し続けて20年! 丸の内で「青い日記帳」開設20周年記念パーティーを開催 - 第28回
地方活性
高額落札がぞくぞく! 気になる名画の値段は? 丸の内で行われる絵画オークションは誰でも入場無料 - 第27回
地方活性
美術館で動物たちに会える? 動物がテーマの展覧会「どうぶつ百景~」が丸の内で楽しめる!