そのほかの変更点
そのほか、企業向けには、「Microsoft Defender for Endpoint のWSL2サポート」「Linux Intune エージェントの統合」といった項目がある。企業向けなので、ここでは解説しないが、前述のブログページを足がかりにこれらの機能を調べることもできるはずだ。
ここでは、気がついた範囲でのWSL リリース 2.3と従来リリースとの違いを解説する。前述のGUI設定プログラムなど、リリース2.3では、Win32側のWSL用プログラムが「C:\Program Files\WSL」以下にまとめられた。WSLのインストール後に使われるwsl.exeもここにある。
従来のwsl.exeは、実体がUWPでアプリ実行エイリアスとして起動されていたが、リリース2.3からはDesktopコンソールアプリケーションになるようだ。
また、wsl.exeにも変更がある。内部的な部分はわからないが、helpオプションによれば、ディストリビューションごとの設定をする「--manage」コマンドに、WSLディストリビューション(のVHDXファイル)の保存先を変更する「--move <Location>」が追加されている。
WSL リリース2.3は、プレビュー版であるため、最終の仕様などは、安定版になるまで確定しない。しかし、多くの機能は、WSL リリース 2.xで実験的機能として導入されたものでもあり、今後は大きく変わらないと思われる。
2017年にWindows 10でWSLが正式導入されて7年が経過し、ようやくGUI設定と企業向け機能が入ることになった。ただ、ネットワーク周りはいまだに落ち着かない感じが残る。また、Windows 11 Ver.24H2のリリースも近く、一部の機能は、24H2以降に対応という可能性も残る。とりあえずは様子見として、評価は安定版が登場してからでも遅くないだろう。
この連載の記事
-
第458回
PC
Windows上でhostsファイルを活用する -
第457回
PC
IPv6アドレスは先頭を見ればどんな種類かわかる -
第456回
PC
あらためてIPv6基本のキ -
第455回
PC
Windowsで現在どのネットワークアダプタがインターネット接続に使われているかを調べる方法 -
第454回
PC
Windows 11 24H2では「デバイスの暗号化」の条件が変わり、より多くのPCでドライブが暗号化される -
第453回
PC
Windows 11 24H2の配布開始後もすぐにはやってこない Windows UpdateとSafeguard Holds -
第452回
PC
Windows 11 Ver.24H2が登場 Copilot+ PCとそうでないPCで実質Windowsが2つに分かれる -
第451回
PC
新しいWindowsサンドボックスではコマンドラインからの制御が可能に -
第450回
PC
ユニコードで文字数を数える方法 -
第448回
PC
PowerShellで面倒なオブジェクトはPSCustomObjectに変換するのが早道 - この連載の一覧へ