再編集でデッドストックが一点ものに!「LIVE STOCK MARKET 2024」で見たファッションの力
ファッションを楽しむことがサスティナブルにもつながるというイベント「LIVE STOCK MARKET in MARUNOUCHI 2024」が今年も丸の内で行われています。
実は昨年の2023開催時にも訪れたのですが、ファッションを楽しんでいるだけなのにこれが環境への貢献につながるの?と驚くほどオシャレなアイテムをたくさん発見することができたのが印象的でした。
今年はどんなアイテムがあるのかと開催が発表された時からワクワクしていた私。早速初日に行ってきました!
スタイリストの審美眼で“再編集”された洋服
「LIVE STOCK MARKET」は、「デッドストックを生き返らせる」をテーマに、手軽に楽しみながらサスティナブルに触れられるイベントです。アパレルブランドやショップで売れ残った経年在庫(=DEAD STOCK)を、スタイリストのトップランナーである小沢宏さんが独自の視点で選別・再編集し、新たなストーリーを加えて生まれ変わった商品を「LIVE STOCK」(=生きた在庫)として販売。在庫の大量廃棄や焼却といった社会問題に対するアンチテーゼになっています。
メイン会場となるのは丸ビル1階のマルキューブ。ここでは、「EDISTORIAL STORE POP UP」と「CONNECTING」が出店しています。
「EDISTORIAL STORE POP UP」は、小沢さんが丸の内に合わせて用意した「LIVE STOCK」を販売しています。
私が一番気になったのは、大胆な刺繍が入ったアイテム。
こちらは刺繍というアレンジを加えることで、「LIVE STOCK」となったアイテム。タグには、どのようなテーマのアレンジかも書かれています。
「CONNECTING」は、昨年も出店した「UNITED ARROWS」と「BEAMS」に 、 「BAYCREW'S」も加わった、3社合同のセレクトショップ。各ショップの「DEAD STOCK」を小沢さんが「LIVE STOCK」として再編集して展開しています。
店頭には小沢さんもいらっしゃり接客をされていました。小沢さんのファンの方も多く来店されている様子。
小沢さんに「LIVE STOCK」を始めたきっかけを聞いてみました。
「僕はずっとスタイリストとしてやって来ました。スタイリストは服に関わる仕事ですが、小売りやバイヤーとはアプローチが全く違うんです。販売する側は、時間がたてば商品である服を、割引したり、処分しなければならなかったりという制約があります。ですが、スタイリストの仕事は新しいアイテムだから良いというわけではなく、古くなったものにも価値を付与できる仕事だと思ったことがきっかけです」(小沢氏)
確かに、言われてみると同じ服を扱う職業でも、ショップの店員さんとスタイリストさんでは、服に対する見方がずいぶん違うんですね。
「余りものを全て集めて販売しているだけだと、アウトレットと同じになってしまうので、スタイリストの審美眼を通して選び直して再編集していく、というのが私のやっている“LIVE STOCK”です。それはスタイリストがまさに日頃やっている仕事です。雑誌であれば読者に向けてやっていることを、僕はLIVE STOCKでお客様に向けてやっています」(小沢さん)と、LIVE STOCKの取り組みについても教えてくれました。小沢さんの審美眼で選び抜かれた良品に出会えるのがLIVE STOCK MARKETということですから、やっぱりファンならひと目見たくなっちゃいますよねー。
高級感のあるイニシャル刺繍が無料!
マルキューブ会場内では、刺繍サービスも行われています。LIVE STOCK MARKETで購入した商品や、刺繡サービス用に販売されているバンダナやTシャツ、バッグに、無料でイニシャルを刺繍してもらえるサービスです。
私もTシャツを購入してイニシャルのRの刺繍をお願いしてみました! 刺繍をするマシンはアメリカ製のもので、かなり大きな機械です。
出来上がりはかなりしっかりとした刺繍で、高級感があります。目の前で自分のイニシャルを入れてもらうと愛着もわいてきます!
こちらの刺繍サービス、かなり人気のようで、私が訪れた平日のお昼でも待ち時間が発生していました。気になる方は時間に余裕を持っていくのがオススメ!
京都の伝統的な染色で生まれ変わるアイテム
メイン会場であるマルキューブ以外にある丸の内エリアの参加店舗では、それぞれの店舗内で「LIVE STOCK POP UP」を開催。そのブランドならではの形でサスティナブルな取り組みを展開しています。
最初に訪れたのは、ルドームエディフィスエイエナ丸の内。
こちらでは売れ残ってしまった商品などを、「秀明黒」に染め上げる京都の伝統的な黒染め技法で染め上げたアイテムを販売しています。もともと柄が入っていたというアイテムも全く柄がわからなくなるほど、しっかりとした濃い黒に染まっています。
染料が反応するのは基本的に天然素材のみだそうで、ポリエステルなどが混ざっているステッチの糸などは白いまま残っており、それがまたデザインのポイントのようになっていてオシャレです。
その他にも、残反を使ったエコバッグなど、サスティナブルなアイテムが並びます。
着用には全く問題ナシ! お得な価格でB品をゲット
続いて訪れたのは、Paraboot 丸の内店。パラブーツとは、1908年にフランスで創業したシューズブランドです。
こちらで展開される「LIVE STOCK」は、通常では販売が難しい訳あり品、いわゆる「B品」をお手頃な価格で販売しています。
「B品」とはいえ、お店の方に説明されないとどこに問題があるのかわからないようなものばかり。もちろん着用には問題ないことが確認されています。
履いていたらいずれ自然についてしまうシワなどが入った商品もあり、これがお手ごろに購入できるならかなりお得! 基本的にどれも1点ものになるので、マイサイズがあればラッキーです。昨年の開催時もかなり好評だったとのことで、気になる方は早めに行くのが吉。
サスティナブルに楽しめる靴の魅力を発信
続いては、ラコタハウス 丸の内店を訪れました。こちらは、アメリカ最高峰のシューズブランド、オールデンのアイテムを販売しています。
こちらでは「LIVE STOCK」として、商品を販売しているわけではありません。店舗の一角で、ラコタハウス会長の血脇孝昌さんの所有する靴の一部を展示しているのです。
靴というのは、消耗品のイメージがありますが、革靴は手入れやリペアによって、半永続的に履くことができるサスティナブルなアイテムだということを、この展示によって示しています。ラインアップの中には、1970年代から履かれているようなものもあるのだとか!
日頃から履いている靴もたくさんあるそうですが、どれもきれいな状態のものばかり。きちんと手入れすれば長く履き続けられるということがよくわかります。
また、オールデンのシューズを履いているお客さんに、シューズの手入れを行うサービスを行っているそう。リペアなど気になることについての相談も行っています。
「LIVE STOCK POP UP」は、今回訪れた3店も含め、計9店で開催。ブランド独自の視点で選び抜かれた「LIVE STOCK」を、各店で楽しめます。
LIVE STOCK POP UP
開催日程:2024年9月6日(金)~8日(日) 各店舗営業時間
開催場所:各参加店舗
参加店舗:
THE TOKYO、STUDIOUS 丸の内店、ル ドーム エディフィス エ イエナ 丸の内、Paraboot 丸の内店、ラコタハウス 丸の内店、Jalan Sriwijaya 丸の内オアゾ店、G.H.BASS 丸の内オアゾ店、TRADMAN'S BONSAI TOKYO、TOOT SHINMARUNOUCHI、ウィム ガゼット 丸の内
計9店舗11ブランド
昨年に引き続き、たっぷりと楽しんだ「LIVE STOCK MARKET in MARUNOUCHI 」。今年もやっぱり、オシャレなアイテムが並び、純粋にファッションを楽しむイベントとしてハイクオリティなイベントでした。ですが、小沢さんやショップのスタッフの方にお話を聞くと、さまざまな背景を知ることができ、堅苦しいイメージのサスティナブルな取り組みにも多様なアプローチがあることを実感できました。
何はともあれ、気になるファッションアイテムをいくつも見つけてしまったので、もう一回り、丸の内を巡ってこようと思います!
LIVE STOCK MARKET in MARUNOUCHI 2024
開催日程:2024年9月6日(金)~8日(日)
開催場所:丸ビル1階マルキューブ、丸の内エリア内対象店舗
文 / オシミリン(LoveWalker編集部)
大阪生まれ。
趣味は読書と写真を撮ること、おいしいものを食べておいしいお酒を飲むこと。
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