Ryzen AI 300に搭載された「RDNA 3.5」「XDNA 2」がAI処理を高速化 AIが常時動く未来はそう遠くない! AMD Tech Dayレポート
2024年07月18日 13時00分更新
徹底的に効率化を目指したRDNA 3.5
次にGPUコアであるRDNA 3.5に眼を向けてみよう。RDNA 3.5はRadeon RX 7000シリーズに採用されているRDNA 3をベースに電力効率を最大化するように手を加えたものである。
RDNA 3.5の設計はAMDとサムスンのパートナーシップにより生まれたものである、というのがおもしろいところだ。RDNA 2のIPがスマートフォン向けSoC(Exynos 2200)にRDNA 2を最適化されていく過程で得られた知見がモバイル向けiGPUであるRDNA 3.5の設計に生かされている。結果としてテクスチャーエンジンとシェーダーエンジン、メモリー周りに大きく手が入った。
具体的にはテクスチャーサンプルユニットを倍に増やした。並列性を増すことでスループットを上げようという試みである。さらにピクセル補完と比較処理を行なう命令を強化し性能を2倍に引き上げた。
また、メモリーも消費電力の少ないLPDDR5を採用したが、少しでもメモリーアクセスを減らすためにアクセス前にサブバッチを作成、情報の粒度を高めることでキャッシュに残ったデータがあるなら使い、本当に必要なデータだけメモリーから読み込むようになっている。
どうしてもメモリーアクセスをしなければならない時のために、圧縮技術を改良しトラフィックを押さえる工夫も盛り込まれている。これらの改良の結果、消費されるエネルギーに対し2ケタパーセントの性能向上を達成したとAMDは謳っている。