生きていれば、いろいろと悩みもできるもの。悩みができると誰かに相談したくなりますが、誰に相談するのか、というところも悩みだったりします。
この連載では、様々な人が訪れ、色々な悩みや相談に答えてきたであろうバーテンダーの方に、あなたに代わって相談をぶつけていきます。第1回目は、新丸ビル7Fのグルメフロア「丸の内ハウス」に店を構える「来夢来人」の店長・宮崎達也さんです。
初対面の人との会話を続ける極意は「〇〇を見せる!」
今回のお悩みはこちら。
初対面の人との会話がうまくいかないので、新しい出会いは少し憂鬱。バーテンダーの方は、どうやってうまくお客さんと話しているの?
初対面の人と話をするのが苦手で、話を盛り上げることができず、相手をがっかりさせてしまっているような気がします。新しい出会いはワクワクというよりも、少し憂鬱。バーテンダーさんは初めてのお客さんとお話しする機会が多いと思いますが、どんな風に会話の糸口を見つけて、話を続けていきますか? コツのようなものがあれば教えてください!
──初対面の人とうまく話せない…そんな悩みを抱えている人も多い気がします。バーでは、バーテンダーの方とお客さんがお話しされているイメージがありますが、宮崎さんもお店で初対面の方とお話しする機会は多いですか?
宮崎さん「そうですね、常連さんもたくさんいらっしゃいますが、初めて来るというお客さんも多いです。お一人で来られる方も多いので、お話しする機会は多いですね。」
──初対面の人に話しかけるときの会話の糸口となるような鉄板ネタは何かありますか?
宮崎さん「好きな食べ物の話を聞いたりすることが多いですね。食べ物なら誰にでも何かは好きなものがありますし、その食べ物に関するオススメのお店を聞いたりすると、話を続けやすいです。
あとは、出身地も定番かもしれません。相手の出身地が自分の行ったことがある場所ならその話ができますし、行ったことがなくても、何が美味しいかや人気のスポットはどこかなど、話のタネになることが多いと思います。
最初に自分から話しかけて、相手がそれに答えた後、自分がもう1度返答できるような話をするのが大事だと思います。」
──なるほど。自分からもう1度話を返せるような話題だと、話が続きやすいかもしれないですね。それでもうまくいかなかった場合ってどうすればよいと思いますか?
宮崎さん「ハズしたなーと思ったときは、ちょっと無理して話していたことを素直に言ってしまうのがいいんじゃないでしょうか。“初対面で会話する時は食べ物や出身地の話が定番”って聞いたから聞いてみちゃいました、と赤裸々に話して、“弱み”を見せてしまうといいと思います。」
──弱みを見せる! 会話をするうえであまり意識したことがなかったポイントかもしれません。
宮崎さん「弱みを見せてしまえば、相手の警戒心も解けると思います。初対面の会話ってやっぱり失敗しがちですし、私もちょっとうまくいかなかったなと思うことはもちろんあります。話してみたかったけど、ちょっと今失敗しちゃいました!と軽めに言ってみるのがいいと思います。初対面で会話が上手くいかない場合って、相手も少なからず緊張している場合が多いはず。弱みを見せることで、相手も話しやすくなるんじゃないでしょうか。」
──宮崎さんはとってもお話が上手な印象ですが、プライベートでもお話しするのはお好きですか?
宮崎さん「いえ、プライベートではそんなに話をするのが好きなタイプではないんです(笑)。どちらかというと、人見知りする方ですね。」
──それは意外です! 全くそんな印象を受けませんでした。
宮崎さん「人見知りですが、無言の気まずい空間が苦手というのもあって。初めての人と話す機会がある時は、何を話すか事前に考えて行ったりしますね。会う場所に向かう途中でも、何か話のネタになるようなことがないか探しながら歩いたり。」
──話すことに苦手意識があるからこそ、事前の準備は大切ですね!
初対面の人と話す際のコツは「弱みを見せること」という、思いもよらなかったアドバイスをくれた宮崎さん。意外な答えでしたが、確かにお互いの緊張感を解くことができそうですし、ご自身もプライベートでは人見知りをする方という宮崎さんの答えだからこそ、説得力もありました。
年上の人との会話も弾みそうな、昭和の魅力たっぷりな来夢来人
「初対面の人とうまく話せない」という悩みに見事な解決策を提示してくれた宮崎さん。そんな宮崎さんご自身のことや、宮崎さんが働く来夢来人の魅力に迫ります。
もともとは高校卒業後に、同じ新丸ビル7Fにあるお店で、運営会社が同じMUS MUSのキッチンで働いていたという宮崎さん。そこから来夢来人に異動になり、今に至ります。最初からバーテンダーを目指していたわけではなく、当時はバーに行ったこともほとんどなかったんだとか。
「最初は難しいことばかりでした(笑)。お酒の種類を覚えるだけでも大変でしたし、同じカクテルでもお客さんによって好みが違うので、それを覚えるのが本当に大変で。常連さんそれぞれに合わせた作り方があったりするので、すべてメモして必死に覚えていました。」と話す宮崎さん。お客さん一人ひとりに誠実に対応する姿勢はさすがです。
また、バーテンダーという仕事の楽しいところや一番の魅力を聞くと、「バーはカウンターに座っているお客さんと2、3時間対面でお話しすることも少なくありません。接客業の中でも、これだけ長い間お客さんと接する時間のある仕事はなかなかないと思うので、バーテンダーならではの楽しさだと思いますね。」と教えてくれました。
バーというと、敷居が高くて、入りづらいと考える人も多い場所。来夢来人で働くまでほとんどバーへ行った経験のなかった宮崎さんも、この考えには共感してくれました。そんな宮崎さん曰く、「カクテルに詳しくなかったり、バーは初めてで不安だという方はまずはバーテンダーに気軽に話しかけてもらえると嬉しい」、とのことです。わからない、ということさえ教えてもらえれば、そこからバーテンダーの方もいろいろと提案がしやすいんだとか。
カクテルをオーダーする際も、「甘い方がいいとか、普段はこんなお酒が好き、とかふわっとしたオーダーで問題ありません。お好みを教えていただければ、合わせたものをお作りできますよ。」と教えてくれました。実際に、ふわっとした注文を受けることも多いそうです!
また、来夢来人では、男性のみでの入店は基本的にNGです。それもあってか、女性1人でのお客さんも少なくないそう。常連さんに限らず、初来店で女性1人のお客さんもよくいらっしゃるようで、特に金曜日には、毎週ほぼ必ず1~2名は初めてくる女性1人客がいるとのこと。これを聞くと、女性1人や、バーに慣れていなくてもお店に入るハードルが下がります。
丸の内といえば、なんといっても日本随一のオフィス街。宮崎さんにも丸の内のイメージを聞いてみましたが、やはり「働く街」というイメージが強く、実際にお客さんも丸の内で働いている人が多いんだとか。会社の人たちと飲んだ後の2軒目、という利用が1番多いそうです。
そんな丸の内の中でも中心部に位置する来夢来人は、昭和のスナックのようなレトロな雰囲気が魅力です。お店に入ると一気に昭和にタイムスリップしたかのような雰囲気が楽しめます。「店内では、昭和歌謡を流しています。上の世代の方と仲良くなりたい若い方は、うちに来てもらえると会話のタネがいろいろあっていいかもしれませんね。店内ではカラオケも歌えるのですが、若いお客さんが中森明菜や松田聖子の曲を歌ったりすると、上の世代の方はすごく喜ばれて、そこから会話が弾んでいるシーンもよく見かけますね。」と教えてくれました。
重厚感のあるソファや流れる歌謡曲など、昭和の魅力たっぷりの来夢来人。確かに年上の人との会話の手助けになってくれるお店かもしれません!
昭和世代には懐かしく、平成世代には新しいカクテル
せっかくバーに来たので、カクテルを飲まないわけにはいかない! というわけで、最初の「初対面の人とうまく話せない」という相談者にオススメするなら、というテーマでカクテルを作っていただきました。
出していただいたのは、「バイオレット・フィズ」というカクテル。来夢来人では定番のカクテルの1つで、人気も高いそう。「もともと昭和の頃に流行っていたカクテルだそうで、昭和世代からすると懐かしい!と感じるカクテルなんです。」と話す宮崎さん。
薄い紫色がきれいなこのカクテルは、スミレのリキュールにレモンジュースとシロップを合わせてシェイクして、ソーダアップで仕上げています。早速いただいてみると、甘さがありながら、すっきりとした後味でとっても飲みやすい味わいです!
「甘めで飲みやすいものを、というオーダーをいただいた時には、よくお出ししするカクテルですね。先ほどもお話しした通り、昭和の頃に流行っていたカクテルなので、上の世代の方との話題のタネにもなりますし、若い人同士で昭和文化を楽しんでいただけるカクテルにもなっていると思います。」と教えてくれました。このカクテルもバッチリ会話の糸口になってくれそうです。
美味しいカクテルに大満足したところで、第1回目は終了。次回はどんなバーテンダーさんの名回答が聞けて、どんな美味しいカクテルに出会えるか、楽しみです!
来夢来人
住所:東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸ビル 7F
営業時間:17:00~26:00(ドリンクL.O.25:30)、金曜日17:00~28:00 (ドリンクL.O.27:30)、土曜日・日曜日・祝日17:00~23:00(ドリンクL.O.22:30)
定休日:なし
電話番号:03-5218-5210
文 / オシミリン(LoveWalker編集部)
大阪生まれ。
趣味は読書と写真を撮ること、おいしいものを食べておいしいお酒を飲むこと。
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