天才カーデザイナー・ガンディーニの功績を振り返る
去る3月13日に永眠したカーデザイナーのマルチェロ・ガンディーニ(享年85歳)の功績を称え、彼が手掛けたクルマの中から、傑作と名高い5台を集めた主催者企画「In Memory of Marcello Gandini」が行なわれました。
ミッドシップV12スーパースポーツの端緒を開いた1台。ジャン・パオロ・ダラーラの前衛的なシャーシに、ベルトーネに所属していた若きガンディーニは流れるようなスタイルのボディーを纏わせました。ガンディーニの名は、このミウラの誕生とともに知れ渡りました。
ミウラに変わるモデルとして誕生したカウンタック。それまでの流麗なボディーから一転し、未来的でシンプル、かつ大胆なウェッジシェイプのモノフォルムデザインは、世界を騒然させるとともに、熱狂的な賛辞が送られました。マルチェロ・ガンディーニを代表する1作です。
ガンディーニを代表するもう1台が、ランチア/ストラトスでしょう。カウンタックと同じ1974年に誕生し、ウェッジシェイプのモノフォルムデザインは変わらないものの、全長が3.7mと極端に短いのが特徴。WRC(世界ラリー選手権)での活躍と、その好戦的フォルムで人気を博しました。
1973年、ディーノ206/246に変わって誕生した4シーター・ミッドシップモデル。一見ウェッジシェイプデザインに見えますが、よくみるとルーフだけが水平という点でほかのモデルとは異なります。308というとピニンファリーナの2シーターが人気ですが、308GT4の方が一足早く誕生し、そのデザインを好む方が多いそうです。
「世界一速い4人乗り」という創業者フェルッチオ・ランボルギーニの想いを汲み、ミウラのコンビが生み出したGTカー。フロントにV型12気筒エンジンを搭載するモンスターです。シリーズ2は4灯ヘッドライトの内側2灯が少し低く取り付けられた、とてもチャーミングな1台です。
パワフルモンスター、アメ車の世界にようこそ
日本やイタリア、ドイツのクルマが目立つヘリテージ市場。ですが忘れてはいけないのがアメリカです。パワフルなエンジンに、独特のデザインは「アメ車」として人々から愛されてきました。そんな熱烈なアメ車ファンの声によって、今回初めて「アメリカンヘリテージ」の特別展示が行なわれました。
当時ジープの製造権を持っていたAMC(アメリカン・モーター・カンパニー)が、その四駆技術をコンパクトな乗用車ボディーに詰め込んだのが、1980年に誕生したイーグル・ワゴンです。乗用車の乗り心地と高い走破性を両立させるというコンセプトは、現在のクロスオーバーSUVの元祖といえるでしょう。
アメリカは乗用車よりもピックアップトラックが売れるお国柄。各メーカーから多くのピックアップトラックが販売されています。その中で、AMCがジープをベースにピックアップにサイズアップしたのがJシリーズです。当時フルサイズピックアップトラックの四輪駆動モデルは珍しく、商用からレジャーまで親しまれたそうです。
フォードのマスタング、シボレーのカマロに対抗すべく、クライスラーが1970年にダッジブランドで投入したのがチャレンジャーです。エンジンは7200ccのV型8気筒で、非常にトルクフル。オイルショックまで隆盛を極めた、マッスルカーブームの立役者といえる1台です。
GMがシボレーブランドで1967年に市場投入したカマロ。2ドアに4座のシートのクーペスタイルは、ストリートからサーキットまで活躍。歴代モデルはアメリカのSCCAトランザムレースで多くの実績を残しました。現在の6代目もアメ車の定番モデルといえるでしょう。
アメリカ製2シータースポーツとして1953年に生まれたコルベット。軽量化のため当時としては先進的だったFRPをボディに採用し、そこにパワフルなエンジンを搭載しました。アメリカ車の中で数少ない生粋のスポーツカーで、中でも2代目は人気が高いのだとか。