◆「Leitz Looks」はボケ具合も調節できるように
14chスペクトルセンサー搭載で光や色味を補正してくれる
続いてカメラを確認すると、背面のカメラは約4720万画素の1インチセンサーを備えたF値1.9のメインカメラと、約190万画素の距離測定用カメラ、そして14chスペクトルセンサーを搭載。フロントカメラは約1260万画素/F値2.3となっている。
一連のスペックや、ディスプレーにPro IGZO OLEDを搭載している点から、端末の開発・製造はシャープが担当しており、性能面から見て「AQUOS R8 pro」がベースと考えられる。
AQUOS R8 proは、暗い場所などで色を正確に再現する14chスペクトルセンサーを除けば「AQUOS R7」とカメラ性能はかなり近い。それゆえLEITZ PHONE 3は、AQUOS R7がベースのLEITZ PHONE 2とカメラの性能は大きく変わらない。性能面強化を期待している人には残念だが、LEITZ PHONE 2同様、Octa PDAFの採用による素早いオートフォーカスは健在で、質の高い写真を撮影しやすいことに変わりはない。
一方でLEITZ PHONEらしさという部分ではより強化がなされており、1つは「Leitz Looks」の機能である。選択できるレンズのモードは、風景に適した「Summilux 28」とスタンダードな「Summilux 35」、ポートレート撮影向きの「Noctilux 50」の3種類で前モデルと変わっていないのだが、新たにF値を選んで背景のボケ具合を6~7段階から調整できるようになった。
それに加えてLeitz Looksには新たなフィルターの追加もなされており、鮮やかでダイナミックな色彩の「VIVID」と、コントラストを鮮明にして影を明るくする「ENHANCED」の2つが追加されている。ボケ具合の調整と、既存の「MONOCHROME」「CINEMA CLASSIC」「CINEMA CONTEMPORARY」を含めた5つのフィルターの活用によって、Leitz Looksでの表現力がより大きく高められたことは大きなメリットだ。
また、後述するがチップセットの性能強化もなされているためか、Leitz Looksで撮影した時の時間はLEITZ PHONE 2よりもやや短くなった印象も受ける。ただ、それでも撮影から保存が終わるまで2~3秒程度かかるので、ある程度構図を決めてから撮影した方がいいだろう。
そしてもう1つ、新たに追加されているのが「ライカ・パースペクティブ・コントロール」という機能。これは本体のジャイロセンサーを用いてカメラを保持している角度を測定し、歪みを補正するというもの。ライカカメラの一部機種に搭載されている機能を、LEITZ PHONE 3に採用したものとなる。
この機能が使えるのは「マニュアル写真」での撮影時のみで、設定すると白い枠が画面上に現れ、シャッターを押すと枠内の被写体の歪みを補正してくれる。枠の動きが本体のジャイロセンサーの傾きによるため、好きなように調整するのが難しいほか、本体を大きく傾けると枠が消えてしまい、機能が利用できなくなることから、やや使いどころを選ぶ印象もあるが、あとから調整する必要がないので、建物などを歪みなく撮影するのに便利な機能だ。
なお、シャープが開発していることもあって、シャープのカメラの便利機能もいくつか可能となっている。とりわけ画面上の好きな位置にシャッターを設置できる「フローティングシャッター」は、LEITZ PHONE 3での撮影をしやすくするのにも便利なので有効活用したい。
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