2月末にスペインで開催されたMWC Barcelona 2024で、フラッグシップモデル「Xiaomi 14」シリーズのグローバル向け発表会を開催したXiaomi。
そのXiaomiの東アジアリージョン ゼネラルマネージャーのアンドリュー・リー(李剛健)氏と、Xiaomi Japanの大沼彰社長から日本市場での狙いなど様々な話が聞けた。
日本市場は個人の消費意欲もハイエンドの需要も高い
ゆえにシャオミブランドのハイエンド化には重要なマーケット
アンドリュー・リー氏(以下リー氏) 日本はスマートフォンだけを見ると、かなり規模の大きなマーケットです。年間で3000万台の売上規模があり、これはグローバルにおいてもトップレベルです。
そして日本のマーケットはハイエンドのマーケットでもあり、個人の消費意欲も高いです。そのため、日本のマーケットでちゃんとブランドを立てることが、Xiaomiブランドのハイエンド化にも有利です。
日本のビジネスモデルは、私が今まで担当してきたインドと中国とはかなり違う点があります。インドや中国はB2Bがメインでした。なので、日本市場についてはもっと勉強する必要があります。
Xiaomiは、まだまだニュープレーヤーと考えていまして、スタートアップ企業のマインドセットで大きな企業から勉強をして、将来的に日本でも成功するXiaomiのやり方、可能性を探っていきたいと思っています。Xiaomiは、スマホメーカーとしてはトップスリーでもあります。将来的に日本でビジネスを大きく展開するチャンスはあると考えております。
日本でのライカモデルは可能性が高い
シャオミ本社とも交渉を頑張っている
リー氏 僕らとしては日本でもライカを搭載したフラッグシップを出したいと考えています。それに向けて、私と大沼が本社との交渉を頑張っているところです。ただし、これは本社にとって複雑な施策となっていまして、企画・台数・販売チャンネルの戦略といったような要素を求めています。現時点では、かなり可能性が高いかなと思っています。
Xiaomi Japan 取締役社長 大沼 彰氏(以下大沼氏) そういったご要望は、たくさんいただいています。やはり期待が高いなと感じていますので、アンドリューとどういう課題を解決すればいいのか、進めています。進展がありましたら報告させていただきます。
EVは中国国内でテストを重ねてから国外へ
リー氏 EVは、かなり複雑な工程・プロセスが必要となります。販売だけではなくて、販売後のアフターサービスもそうですし、商品のライフサイクルとして、10数年間そのケアをするといった、すべて整えたシステムが必要です。
ですので、このシステムをまず中国で試して、ちゃんとスムーズに提供できるようになったら、グローバルに広げようと考えています。
実店舗「Mi-Home」が日本に来るのはまだ先
リー氏 Xiaomiにはひとつのコアな戦略があります。それは、オンラインのECプラットフォームと、そのほかのパートナーのプラットフォームを含めたオンラインと、実店舗の「Mi-Home」を構築するという戦略です。
Mi-HomeはXiaomiの優位性を発揮する一番いいチャンネルです。なぜかというと、チャンネルのコントロールを完全にできますし、かなりチャレンジングなプライシングもできます。そして同時に、ユーザーがすべてのXiaomi製品を購入できます。
将来的にはもちろん、日本でもMi-Homeを作りたいと考えています。今はまだマーケットを研究している段階です。明確にいつまでに何店舗を作るというプランはないですけれども、積極的にサービスの研究と強化をしている段階です。
渋谷で限定オープンしたポップアップストアは成功だった
大沼氏 先ほどアンドリューが言ったとおり、いろいろな角度から検討しなきゃいけない。その検討しなきゃいけない中で、やはり一番人が集まるのは、限定ショップをオープンした渋谷のあたり。そういったところに、ポップアップストアを出店したときにどういう結果になるといった課題を、ひとつひとつクリアしながら先に進めたいですね。
そういった意味で、結果はどうだったかと言ったら、我々の予想より多くのお客様のご来店がありました。限定ショップはMi-Homeというよりポップアップストアで、商品の取り扱いも数少ない。グローバルのMi-Homeは何百点という品揃えで、ポップアップストアは数十点もないぐらいでした。それでも、想像以上のお客様にご購入いただいたことが、ひとつの大きな収穫かなと思います。
発表会には日本のMi Fanを招待したい
リー氏 ちょうどこのインタビューの前に広報担当と打ち合わせをしていたのですが、今年中国で行なわれる戦略的な新商品の発表会に、日本のMi Fanとメディアの皆様にも参加いただきたいと話をしています。北京の本社はXiaomiのことを知ってもらうには一番いい場所だと思いますので。
以上のように、今年は昨年以上に日本市場に力を入れていくようだ。まずはライカ付スマホの日本登場を期待しよう。
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