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MWC Barcelona 2024レポート 第12回

MWCでドコモとKDDIが呉越同舟!? 海外での日本のプレゼンスを高めたいで協調

2024年03月01日 14時05分更新

文● 中山 智 編集● ASCII

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 スペインで開催中のMWC Barcelona 2024にて2月27日、NTTドコモのブースにて同社井伊基之社長とKDDI髙橋誠社長の両社のトップが共同での囲み取材が行なわれた。

ドコモとKDDIが呉越同舟

共同での囲み取材を受けたNTTドコモ井伊基之社長(左)とKDDIの髙橋誠社長(右)

ドコモ井伊社長(以下、敬称略) 去年、高橋さんも会場にいらっしゃったので、中国や韓国のブースがすごく活況で、ぜひKDDIさんも出展して、日本のプレゼンスを一緒に上げませんか、高めませんかというお話をさせていただいた。しかも同じホール4で出していただけませんかと。すぐやるぞと言ってくれて、それが1年で実現したことが私は大変うれしく感じている。

KDDI髙橋社長(同) 昔は結構日本企業も(出展が)多かったのですが、最近勢いがないよねと。井伊社長にお声をかけていただいたあと、すぐに実際にブースを出展するにはどうすればいいのか、NTTドコモさんに相談しながら進めてきた。まだまだ、こなれていない部分をあるが来年、再来年と出展していけるようにしたい。

ドコモとKDDIが呉越同舟

来場者へプレゼントとして配られたコースターも両社共同で作成し、並べると1枚絵になっている

――お互いのブースを見ての感想は?

井伊 (KDDIのコーポレートカラーの)ブルーにコーディネーションされたブースに行って驚いたのが、展示してソリューションがすぐにグローバルで出せるなと直感的に感じた。まさにここで出すものとしては適しているなと。1年目ですごいなと。

ドコモとKDDIが呉越同舟

コーポレートカラーで統一されたデザインのKDDIブース

髙橋 NTTドコモさんのブースは、作りが人が集まりやすくなっていて、すごく集客力が高いなと思った。AIやオープンRANなどが話題になっているなかで、NECさんと一緒に新会社を立ち上げてオープンRANを広めようとしている、その意気込みもブースから伝わった。

ドコモとKDDIが呉越同舟

体験型の展示もあり、来場者が多く集まっていたNTTドコモブース

――日本のプレゼンスを上げようという話でしたが、今回両者でそのことについてなにか話し合ったことは?

井伊 今回はまだないです。中身はそれぞれの思いを出そうということと、去年髙橋さんとこの場で話して印象的だったのは、日本を代表して、いろいろな展示物の説明する若い人たちが生き生きしていて、今回KDDIさんのブースを見ても、やはり若い人が生き生きとしていて、とても活性化になる。それがまず大事だなと。

髙橋 うちの社員にしても、実際に日本に居ると視野が狭い。ここに来るといろいろと新しい動きが見えてくる。(MWCは)数年前のモバイルオンリーのイメージがある人も多いが、今はモバイルではなくてデジタルではなくて「フューチャーだ」とGSMA(MWCの主催団体)の人も言っているくらいで、そういった世界の動きを若い人が感じられるというのはプラスになると思った。

――実際にプレゼンスが上がったという感触は?

井伊 それはメディアのかたが「プレゼンスがある」とおっしゃっていただいたほうがうれしいですが、日本の両社の持っている持ち味みたいなものが出せたらいいなと思っている。それぞれ持っているならではの技術なりサービスを生み出していると感じてもらえたら、プレゼンスになる。

髙橋 会場をみていると、ファーウェイのブースもすごいし、韓国勢のブースもすごい。今回、NTTドコモさんとうち(KDDI)と、そして楽天さんも出展していて、これにソフトバンクさんも参加されれば、さらにプレゼンスは上がるでしょう。8ホールの(4YFN)にはスタートアップが集まっていますが、我々が出ることによってつられて日本のスタートアップの参加も増えればいいと思います。仲間ですから頑張っていきたい。

ドコモとKDDIが呉越同舟

日本のプレゼンスを高めていきたいと語る両社長

――会場には楽天グループも出展して、三木谷浩史氏も来場していますが、ビジネス的に一緒にやられる考えは?

井伊 可能性としてはある。もともといろいろなベンダーがフリーというのがオープンRANのコンセプトなので、本当は一緒にできると思う。あとはそれぞれの企業の戦略だと思う。ウェルカムです。

髙橋 三木谷さんとも話したのですが、基本的にはオープンな姿勢でこんなところで争っていても仕方ないよねとおっしゃっていた。

ドコモとKDDIが呉越同舟

MWCの会場には楽天・三木谷氏も来場していたので、来年は3者もしくは4者が集まることに期待したい

――おふたりが並んでいる姿も珍しいですが、今後国内でもこういった機会は?

髙橋 災害時でもそうですが、今は共創と協調とがすごく大事。今この場は協調で災害時に船をだしていただいたこともそう。オープンRANもそうだが、何を協調してなにで戦っていくのか、非常におもしろい時代になっていると思う。

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