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山本 敦の「新選! オーディオレポート」 第27回

クラシック音楽が身近に!「Apple Music Classical」アプリ体験レビュー<入門編>

2024年01月26日 19時00分更新

文● 山本 敦 編集●飯島恵里子/ASCII

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クラシックの作品に関連するざっくりとした記憶を辿りながら、聴きたかった曲を見つけて再生できます

うろ覚えな知識のまま、聴きたかった曲が見つけられる

 クラシック音楽について深い知識を持っていなくても、Apple Music Classicalは「つい、クラシック音楽が聴きたくなってしまうアプリ」です。

 小中学校の音楽の教科書で学んで以来、“うろ覚えなままの音楽の知識”でApple Music Classicalのカタログを検索してみても、目当ての作品や関連する興味深い作品がリストに上がってきます。

 例えば検索ワードに「隅田川」とタイプすると、滝廉太郎の作品『花』に関連する作品がずらりと表示されます。ドビュッシーの作品『月の光』を、筆者はずっと『月光』だと思い込んでいました。検索ワードを「月の光」と指定した場合でも作品の候補リストにドビュッシーの『月の光』が出てきます。

 筆者が子どもの頃にクラシック音楽が好きな両親から「パッヘルベルのカノン」として、ひと続きの単語のようにすり込まれてきた作品が、実はヨハン・パッヘルベルの『カノンとジーグ ニ長調 P37』であることをApple Music Classicalの検索機能のおかげで知ることができました。

好きなアーティスト・楽器・映画の代表曲も盛りだくさん

 Apple Music Classicalアプリの「見つける」タブからは、カタログにある作品を指揮者やソリスト、オーケストラなどの条件から探せます。筆者はよろず弦楽器が演奏する音楽が好きなので、「ギター」はもちろん「リュート」や「ハープ」などの楽器から探せる機能のおかげでクラシック音楽に親しみがわきました。

 好きなクラシックの「アーティストの代表曲」や「アーティストによるプレイリスト」も、Apple Music Classicalに親近感を持つきっかけになると思います。

 クラシック音楽のスタイルで制作、演奏されているジョン・ウィリアムズの『スター・ウォーズ』や『シンドラーのリスト』、久石譲の『天空の城ラピュタ』など「映画音楽」もあります。例えば「千と千尋の神隠し」の代表曲『あの夏へ』を、国内外の著名なオーケストラやアーティストが演奏している作品を聴き比べてみると、雷鳴に打たれたように突然クラシック音楽の魅力を発見できるかもしれません。

耳馴染みの映画音楽、好きなアーティストや楽器を頼りにクラシック音楽のリスニングを深めることもできそうです

 ユーザーがApple Music Classicalからお気に入りの作品をライブラリやプレイリストに追加すると、同じ情報がApple Musicアプリにも共有され、Apple Musicアプリからも再生できるようになります。

 Apple Music Classicalで配信されている楽曲は、iPhoneやiPad、Androidスマホにダウンロードして「オフライン再生」ができます。ただしその方法はApple Music Classicalアプリから直接ダウンロードするのではなく、いったんプレイリストにまとめるなどしてから、Apple Musicアプリの方でダウンロード、および再生を楽しむ形式になっています。飛行機による旅支度の前に知っておきたいポイントです。

Apple Music Classicalの方でいったんプレイリストなどにダウンロードしたい楽曲を登録後、Apple Musicアプリに移動してダウンロード、オフライン再生が楽しめます

 Apple Music Classicalにはハイレゾロスレス、ドルビーアトモスによる空間オーディオで配信されている楽曲も充実しています。次回はヘッドホンなどのオーディオ機器、HomePodでApple Music Classicalを高品位に楽しむ方法に踏み込んでみたいと思います。

 

筆者紹介――山本 敦
 オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 

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