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サムスンの最上位スマホ「Galaxy S24 Ultra」の実機と超強化されたAI機能をチェック

2024年01月18日 03時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII

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Galaxy

Galaxy S24 Ultra

 サムスン電子は1月17日(現地時間)、アメリカ・サンノゼで新製品発表会「Galaxy Unpacked」を開催し、最新モデル「Galaxy S24 Ultra」「Galaxy S24+」「Galaxy S24」の3機種を発表した。さっそく実機に触れることができたので、本稿ではGalaxy S24 Ultraを紹介する。

◆チタンボディー・フラットディスプレーの高級モデル

 Galaxy S24 UltraはチップセットにクアルコムのSnapdragon 8 Gen 3を搭載した高性能なスマートフォンだ。ディスプレーサイズは6.8型で前モデルと変わっていないが、2600nitと画面輝度が大きく高められ(前モデルは1750nit)、屋外での視認性が大きく向上した。リフレッシュレートは1~120Hzまでの可変式。ディスプレーの形状は狭ベゼル設計のフラットデザインに変わっている。

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6.8型ディスプレーに狭ベゼル設計のフロントデザイン

 背面レイアウトもGalaxy S23 Ultraと大きな変わりはない。カメラ周りに数値の記載などがない、すっきりしたデザインに仕上げている。4つのカメラのうち、高倍率望遠はGalaxy S23 Ultraの1000万画素から、Galaxy S24 Ultraでは5000万画素へと変更され、従来の光学3倍ズームから光学5倍になった。また、高画素センサーとAI処理により10倍の光学相当の撮影も可能に。そのほかのカメラスペックは変わらない。

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背面デザインは前モデルとほぼ同じだ

 本体フレームはチタン素材となった。側面から見てもディスプレーがフラットになったことがわかるだろう。本体右側面の電源ボタン、音量調整ボタンはオーソドックスなレイアウトだ。本体サイズは約78.1×163.4×8.9mmで、前モデルのGalaxy S23 Ultraと変わっていない。ただしケースが流用できるかどうかは不明だ。防水防塵はIP68に対応する。

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側面から見るとディスプレーがフラットになっていることがわかる

 本体底面にはスタイラス「Sペン」が収納される。このあたりもGalaxy S23 Ultraと同等の設計だ。バッテリー容量は5000mAhで、45W充電に対応する。

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底面はSペン収納、USB Type-C端子、nanoSIMカードスロットが並ぶ

 Sペンはボタン部分の色をフレームのチタンカラーに合わせており、本体に収納したときにフレームと同化する仕上げになっている。ペン本体はすべりにくい樹脂製で、サイズは細いが持ちやすい。ボタンのクリック感も良好だ。

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底面からSペンを抜いて使える

 Galaxy S23 UltraとGalaxy S24 UltraのSペンは一見すると同じ大きさに見えるが、Galaxy S23 UltraのSペンをGalaxy S24 Ultra本体に収納しようとすると、途中でひっかかりを感じる。前モデルを持っているとしても、Galaxy S24 Ultraに他機種のSペンを入れるのはやめたほうがよさそうだ。

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Sペンの比較。上がGalaxy S24 Ultra用、下がGalaxy S23 Ultra用

 本体のカラバリは4色展開。それぞれTitanium Yellow、Titanium Violet、Titanium Black、Titanium Grayと「Titanium」が色名に入っている。フレームのチタン部分は同色で、背面パネルのみが異なる仕上げだ。

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チタンカラーの4色展開

 Galaxy S24 Ultraのハードウェア面での進化の1つが、本体の冷却性能の向上だ。本体内部のベイパーチャンバーの面積を増やし、高性能なゲームプレイ中も発熱を抑えてくれるという。なお、Galaxy S24+、Galaxy S24も同様にベイパーチャンバーが大型化されている。

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Galaxy S24シリーズではGalaxy S23シリーズよりベイパーチャンバーが大型化

 ディスプレーは屋外での視認性も高まっている。Galaxy S23 Ultraと比較すると、Galaxy S24 Ultraのほうが明るい場所でもディスプレーは見やすくなった。

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Galaxy S23 Ultra(左)よりGalaxy S24 Ultra(右)のほうが屋外でも見やすい

 カメラはメインの広角が2億画素、望遠が光学5倍で5000万画素、超広角が1200万画素となる。またフロントカメラは1200万画素だ。カメラはAI補正が強化され、30倍のデジタル望遠でもかなり鮮明な映像が撮影できる。最大100倍までの望遠に対応しており、高倍率撮影もより実用的になった。なお、ビデオは前モデル同様に8K 30fpsに対応する。

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AI性能を高めたカメラ

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デジタル30倍もブレずに撮影できる

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動画は8K 30fps対応

◆進化したAI機能をオフラインで試した

 Galaxy S24 Ultraの最大の進化はオンデバイスで使えるAI処理機能だ。従来はクラウドでの処理が必要だった翻訳などの作業がオフラインで利用できる。電波が入らない場所、たとえば飛行機の機内でもGalaxy S24 Ultraがあれば、外国人キャビンアテンダントと会話ができるのである。

 クイック設定パネルの中に「通訳」機能があり、これをタップすることで外国語との通訳アプリが起動する。画面は上下に2分割されており、交互に音声を認識させることができる。マイクのアイコンの横をタップすることで、言語を変えることも可能だ。また上側の画面を反転させて、向かい合った2名がお互いに画面を見ながら会話することもできる。翻訳後は文字だけではなく音声でも発音してくれるので会話もスムーズだ。

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通訳機能は2画面を使ってお互いが意思疎通できる

 チャットで相手と会話する際、ちょっと言い回しを変えたいときもGalaxy S24 UltraのAI機能が役に立つ。「明日は予定が入って行けなくなった」なんて要件を友人にカジュアルに伝えたい、あるいは上司に丁寧に断りを入れたいといったときも、ベースとなる文章を入力してからフォーマットの自動生成を行なえば複数パターンの文章を作ってくれる。カジュアルな返事には絵文字を使うといった、細かい作り込みもされている。

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チャット文章をカジュアルやフォーマルに作り直してくれる。翻訳も可能だ

 音声録音ファイルのテキスト化もオンデバイスでできる。しかも、会議のように複数人が会話している場合、スピーカーごとに「スピーカー1」「スピーカー2」と会話を段落と色にわけて表示してくれるため読みやすい。もちろんそのままほかの言語への翻訳も可能。さらに会話全体を要約する機能もある。議事録などをまとめるのに便利な機能だ。

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会議の録音も話し手ごとに分けてテキスト化。翻訳や要約も可能

 AIメモ機能はテキストを要約するだけではなく、見やすい形式にまとめ直してくれる。議事録風、報告書風などいくつかのフォーマットがあり、長い文章でも見やすく成形してくれるのだ。もちろん翻訳にも対応する。

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長い文章、たとえばプレスリリースも要約・翻訳してくれる

 画像検索もより便利に使える。グーグルレンズを使ったオブジェクト検索時に、写真のなかの一部部分を指先で選択すれば、その部分だけをグーグルが検索してくれる。

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画像検索時も画像の必要な部分だけを選べる

 グローバルではニューヨークやパリなど世界8都市で、期間限定の体験スペース「Galaxy Experience Spaces」が開催される。日本でのGalaxy S24 Ultraの発売は未定だが、海外同様にGalaxy Harajukuなど体験スペースでの実機展示が行なわれるだろう。

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日本発売が楽しみな1台だ

  Galaxy S24(参考) Galaxy S24+(参考) Galaxy S24 Ultra
メーカー サムスン電子
ディスプレー 6.2型有機EL 6.7型有機EL 6.8型有機EL
画面解像度 FHD+ WQHD+
サイズ 約70.6×147×7.64 約75.9×158.5×7.74 約78.1×163.4×8.9
重量 168g 196g 233g
CPU Snapdragon 8 Gen 3
メモリー 8GB 12GB
ストレージ 256/512GB/1TB
カメラ アウト:50MP/10MP/12MP
/イン:12MP
アウト:200MP/10MP+50MP/12MP
/イン:12MP
バッテリー容量 4000mAh 4900mAh 5000mAh
画面輝度 2600nit
生体認証 ○(指紋)
USB端子 Type-C
防水防塵 IP68
生体認証 画面内指紋+顔
OS Android 14
eSIM
カラバリ Onyx Black、Marble Gray、Cobalt Violet、Amber Yellow Titanium Yellow、Titanium Violet、Titanium Black、Titanium Gray

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