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アビームコンサルティングがサステナビリティ経営の取り組み実態を調査

サステナビリティ経営の現状 ― 「KPI・プラン作成」は半数以下、「対外開示」は4割以下

2023年11月24日 14時00分更新

文● ASCII

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 アビームコンサルティングが、サステナビリティ経営の取り組みに関する実態調査を公開した。

 本調査は、日本企業の「サステナビリティ経営」における取り組み状況の把握および課題の特定を目的とするもの。2023年5月に、年間売上500億円以上の日本企業の課長以上のサステナビリティ経営関与者723名(うち上場企業478 名、非上場企業245 名)を対象に実施された。

サステナビリティ全般および社会課題テーマ別の取り組み

 本調査によると、「サステナビリティに関する全社ビジョンの策定」や「マテリアリティの特定」といった、サステナビリティ経営の第一歩といえる取り組みは、ほぼ6割以上の企業が対応済・対応中であることが分かった。一方で、「KPI・アクションプランの設定」はスコアが下がり、特に「部門KPI/アクションプラン策定」が完了していない企業は、上場企業でも5割を超えた。

 また、「対外開示済」の上場企業も36%にとどまり、非上場企業では半数以上が開示の検討もできていない。

 テーマ別の取り組みに関しては、「気候変動」および「ビジネスと人権」は、比較的対応が進んでいる一方で、「生物多様性」への対応は半数以上が未検討。また「社会課題起点の事業創出」を実現できているのは、上場企業・非上場ともにわずか2割程度に留まっている。

サステナビリティ全般および社会課題テーマ別の取り組み状況

業界別のサステナビリティへの取り組みの現状

 サステナビリティ全般の取り組みを業界別に見ると、製造、商社および金融の各業界での取り組み進度が高い。特に金融では各業界で進度が下がる「対外開示」の取り組みについても42.7%が対応済、15.5%が対応中。

 社会課題テーマ別では、産業インフラが「社会課題解決(社会課題解決起点の事業創出・技術開発)」の取り組みを最も推進している。

サステナビリティ全般の業界別取り組み状況

社会課題テーマ別/業界別取り組み状況

サステナビリティ経営を推進する上での障壁

 サステナビリティ経営を推進する上での障壁では、「社内のキーパーソンや現場が、サステナビリティ経営を『じぶんごと』としてとらえていない」が最も多い回答となった。また、「わからない/覚えていない」との回答が、特に非上場企業では18.3%にのぼった。アビームコンサルティングでは、「サステナビリティ活動と自らの事業推進を融合として考えられていないことが大きな障壁である」と提言している。

サステナビリティ推進の障壁

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