一方のカルチャとは何か
「カルチャ」は、.NET/.NET Frameworkの言語に関連したリソースである。なお、Win32APIでは同じものをロケールと呼ぶ。カルチャの指定はBCP47形式の「言語-地域」のロケール形式でする。各言語/地域タグのカルチャのデフォルトデータは、Windows内で定義されている。
カルチャは、言語、地域ごとの文字列や日付や時間、数値などの書式を含む。文字列には、カルチャ(ロケール)のネイティブ言語による表現が含まれる。たとえば、カルチャ設定(地域設定)がjaであるとき、en-USのカルチャの表示名は「英語(米国)」となるが、カルチャがen-USならば、「English(USA)」となる。
カルチャには、表示言語などに使われるUICultureと、.NET/.NET Frameworkの内部動作時に使われるCultureの2つがあり、これを個別に指定できる。UICultureは、Windowsの表示言語に対応し、Cultureが地域設定に対応する。
これらを取得する「Get-Culture」「Get-UICulture」は、標準モジュールである「Microsoft.PowerShell.Utility」に含まれている。
カルチャの切り替えは、管理者権限でSet-Cultureコマンドでできる。これにより「設定」→「時刻と言語」→「言語と地域」→「地域」→「地域設定」が切り替わる。ただし、有効になるのは、コマンド実行後に新規に起動されるセッションからである。
また、UICultureは、Set-WinUILanguageOverrideコマンドで変更できるが、有効になるのは、再起動、再ログインの後になる。これは、Windowsの表示言語切り替えと同じだ。
カルチャは言語パックと関連するが、カルチャ自体の利用(切り替え)には、必ずしも該当する言語パックのインストールを必要としない。ただし、言語固有の文字表示などには特定のフォントが必要になることがある。
そのほかの言語関連コマンド
そのほかの言語関係の設定は、Internationalモジュール(https://learn.microsoft.com/ja-jp/powershell/module/international/?view=windowsserver2019-ps)に属するコマンドを使う。前述のSet-Cultureコマンド、Set-WinUILanguageOverrideコマンドは、このモジュールに属する。
Internationalモジュールのコマンドでは、現在の地域やシステムロケールなどを設定、表示させられる。
Microsoftアカウントでは、Windowsの主要な設定をバックアップして、リストアをする「Windowsバックアップ」が用意されている。これは新規マシンにも適用できる。しかし、ローカルアカウントでは、こうした仕組みが利用できない。このようなとき、GUIによる設定は面倒だが、WingetやPowerShellの言語関連設定などを使うことでコマンドライン(スクリプト)で設定が可能になる。
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