アドビが提供するストックフォトサービス「Adobe Stock」に、AIで生成されたと思われる、爆撃されたガザおよびイスラエルの都市の画像が販売されている。
多数投稿されている生成AI画像
Adobe Stockは、アドビが運営する有償のストックフォトサービス。商用利用可能な高品質の写真、動画、イラスト、3D素材などを利用できるほか、クリエイターは作品を登録し、ロイヤリティー(報酬)を受け取れる仕組みが用意されている。
現在同サービスにおいて「Destroyed buildings in israel(Gaza)」などのキーワードで検索すると、現在紛争中の両地区で撮影したと思われる写真が多数表示される。
そこからフィルターで「生成AIのみ」を選ぶと、生成AIで作成された写真が含まれていたことがわかる。AIで生成された画像には「AIによる生成」タグが付いている。
規約に違反するかどうかは微妙
「Adobe Stock」は2022年12月、AIで作成したコンテンツの投稿を受け入れることを発表しており、そのときにガイドラインも公開されている。
ガイドラインには「実在する場所、特定可能なプロパティ(有名なキャラクターやロゴなど)、または著名な人物(写実的・デフォルメを問わず)を描いた作品を提出しないでください」とあるが、「イスラエル」「ガザ」などの地名が「実在する場所」に相当する可能性はある。
それ以前に、このような痛ましい進行中の事案を題材に創作された画像を公開・販売することが許されるのかという倫理的な問題も当然あるだろう。
さらに言えば、悪意を持った偽情報の頒布に利用できるといった可能性も否定できない。
本件について、アドビは海外メディアの取材に対し「アドビは誤った情報との戦いに取り組んでおり、Content Authenticity Initiativeを通じて、パブリッシャー、カメラメーカー、その他の関係者と協力し、自社製品を含め、Content Credentialsの採用を進めています」と答えている。