iOS 17が配信され、オーディオ関連においてもいくつかの新機能が追加された。
主なところは第2世代AirPods Proのノイズコントロールにある「適応型モード」「会話感知」「パーソナライズされた音量」の機能だ。この機能を実際に使用してみた。
AirPods側のアップデートも必要
第2世代AirPods Proとの組み合わせによる新機能は、iOS 17の配信よりも早く9月14日にAirPodsファームウェアの配信が開始されていて、このアップデートを必要とする。この時には第2世代AirPods Pro(6A301)とそれ以外(6A300)でバージョン番号が異なる配信が行われた。アップルはAirPodsのファームウェア・アップデートの詳細についてはいつも明らかにしないが、第2世代AirPods Proとそれ以外で異なることから見て6A301がiOS 17の新機能向けであるだろう。
AirPodsのアップデートは自動で行われるので便利である反面で、明示的に行う方法がユーザーには示されていないのでiOS 17の配信よりも早く行われたと思われる。使用に当たってはBluetooth設定などから自分の第2世代AirPods Proのバージョンが6A301になっているかどうかを確認する必要がある。
ちなみに他機種についても6A300のアップデートが行われているのは同じく6月にアナウンスされた新しいミュートとミュート解除機能だと思われるが、該当機種が手元にないので確認できない。
ノイズコントロールの適応型モード
まず今回の目玉でありWWDCでアナウンスされていたノイズコントロールの「適応型モード」について試した。これは当初聞いていた情報では「ノイズキャンセリングモード」と「外部音取り込みモード」を動的に切り替えるように思われたが、実際に使用してみるとその中間を狙ったようないささか異なる機能のように思う。
第2世代AirPods Proを用いて、設定のノイズコントロールで「適応型モード」をオンにすると屋外では「外部音取り込みモード」より自然に柔らかくオフと同じように音が聞こえる。外音取り込みでは設定にもよるが、集音器のように外の音をシャープに拾う。それが適応型だと自然に聞こえる。「ノイズキャンセリングモード」にすると例の無音室のような静寂になる。
例えばホームに居て電車が滑り込んでくると、「外部音取り込みモード」ではうるさい騒音が聞こえて切りたくなるが、「適応型モード」ではマイルドな音になり気にならないと同時に音があった方が注意喚起になって良いと思う。「ノイズキャンセリングモード」だと電車が接近する音はとても聞こえにくいので下を向いていると乗り過ごしかねない。
電車の車内でも同様でも「外部音取り込みモード」だとアナウンスは聞きやすいが電車の騒音もキツイので分かりにくい。しかし「適応型モード」ではアナウンスはしっかり聞こえて電車の騒音はマイルドなので聞きやすい。「ノイズキャンセリングモード」ほどにはノイズが低下しないが不快感はほとんどない。
この時に耳から第2世代AirPods Proを外して現実の音と聞き比べると、単にノイズを帯域一様に落としているのではなく、不快成分を選択的に低減しているように思う。車内アナウンスも実のところイヤホン無しより適応型を通した方が聞き取りやすい。電車内では電車の走行騒音もうるさいが、実のところ車内アナウンス自体も(必要なものだが)音量が大きく歪んでいてうるさいのである。それを両方とも聞きやすいレベルにして柔らかく耳触りが良いように調整してくれている。
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