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Silent-Master NEO B650A Miniをレビュー

Ryzen 5 7500Fで良コスパな静音ゲーミングPC、ゲームベンチ中でも40dB未満の静けさ

2023年09月26日 10時00分更新

文● 宮里圭介 編集●ジサトライッペイ/ASCII

提供: サイコム

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静かにRyzen 5 7500Fを活かしきっている

 さて、ここからは性能について探っていこう。まずはRyzen 5 7500Fの純粋なCPU性能を見たいので、CGレンダリング速度からCPU性能を測ってくれる「CINEBENCH R23」を試してみた。

 結果は「pts」という単位の独自スコアーで表示され、この数値が高ければ高いほど高性能なCPUとなる。すべてのコアを使用するMulti CoreテストではCPUの最大性能、Single Coreでは1スレッドあたりの最大性能がわかる。テスト時間は10分以上のループとした。

Ryzen 5 7500Fで良コスパな静音ゲーミングPC、ゲームベンチ中でも40dB未満の静けさ

CINEBENCH R23の結果

 結果はMulti Coreテストが14042pts、Single Coreテストが1821pts。この数値が高いのか低いのか、比較対象がないとわかりにくいため、テクニカルライター加藤勝明氏のレビュー記事(TDP 65Wになり扱いやすく!AMD「Ryzen 9 7900」「Ryzen 7 7700」「Ryzen 5 7600」最速レビュー)にある、Ryzen 5 7600のスコアーと比べてみよう。なお、ベンチマーク環境が異なるため、厳密な比較ではなくあくまで「参考値」ということでご了承いただきたい。

 その記事によると、Ryzen 5 7600はMulti Coreテストが14204ptsで、Single Coreテストは1845pts。比率で計算してみると、どちらも2%未満の差しかない。仕様上の動作クロックはRyzen 5 7500Fのほうが100MHz低いことを考慮すると、期待通りの性能が出せていることがわかる。

 ちなみに、このRyzen 5 7600のスコアーは水冷クーラーを使った場合のもの。同梱の空冷クーラーを使用した場合は、Multi Coreテストが13303pts、Single Coreテストが1830ptsにまで下がってしまっていた。その数値と比べてみると、Single CoreテストはRyzen 5 7600のほうが上だが、Multi CoreではRyzen 5 7500Fのほうが上になる。

 これはシンプルに、Silent-Master NEO B650A Miniで採用しているNoctuaの空冷クーラー、NH-U12Sが優れている、という話だ。同クーラーが静音性に優れており、そのうえ性能をしっかり引き出せる冷却能力の証明とも言える。

 では、CPU温度はどうか? ベンチマーク実行中の動作クロックと温度を、モニタリングソフト「HWiNFO64 Pro」でチェックしてみた。

Ryzen 5 7500Fで良コスパな静音ゲーミングPC、ゲームベンチ中でも40dB未満の静けさ

CINEBENCH R23のMulti Coreテスト実行中における、CPUの温度と動作クロックの推移。なお、温度は青色の線(数値は左の軸)で、動作クロックはオレンジ色の線(数値は右の軸)となる

 CPU温度はベンチマーク開始直後から85度を超え、そのまま最大85.4度をキープ。最後まで温度が変わらず、安定していた。動作クロックは時折下方向にスパイクしているが、基本的には4.87GHz前後で、しっかりその実力を発揮できていたと思う。

 静音PCあるあるだが、動作音を小さくしたいがためにファンの回転数を絞ると、冷却性能が低下する。結果、高負荷時にCPUの温度が上昇し、これを防ぐために動作クロックが下がり、CPU本来の性能が発揮できない……といったことが起こりやすい。

 しかしながら、Silent-Master NEO B650A Miniではそうした心配がなく、CPU本来の性能をいかんなく発揮しながらも、静かに運用できることがわかった。しかも空冷クーラーでだ。この絶妙なバランスこそ、サイコムの妙技と言える。

 なお、つい先日CINEBENCHの最新版「CINEBENCH 2024」が公開されたので、こちらも試してみた。GPUレンダリングテストが追加されているほか、レンダリング計算量の増加、CPUの新命令に対応するなど、より最新CPUの性能比較がしやすくなっている。

Ryzen 5 7500Fで良コスパな静音ゲーミングPC、ゲームベンチ中でも40dB未満の静けさ

CINEBENCH 2024の結果

 結果はMulti Coreテストが805ptsで、Single Coreテストが108pts。まだ比較できるようなサンプルは少ないので、自分のPCとの比較用にご覧いただきたい。なお、スコアーの単位(pts)はCINEBENCH R23と同じだが、数値の比較はできないので注意されたし。

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