累計生産5000万台の達成へ
島根富士通は、FujitsuブランドのPCを生産する国内最大規模のPC工場である。
1990年10月に操業を開始してから、今年で33年目を迎えており、2023年6月時点での累計生産台数は4800万台に到達。島根富士通の神門明社長は、「2024年春には、累計生産5000万台の達成を見込んでいる」と語る。
国内のPC生産拠点で、5000万台の大台に到達するのは、島根富士通が初めてとなる。
もともとは、FM TOWNSなどのデスクトップPCの生産でスタートしたが、1995年からはノートPCの生産に特化。2011年からはタブレットの生産も開始した。
さらに、2021年には、福島県伊達市の富士通アイソテックで行なっていたデスクトップPCの生産を移管しており、国内で生産されているFujitsuブランドのPCは、すべて島根富士通に統合された。
また、2021年には西日本地域の個人向けPCの修理拠点としての機能を、富士通周辺機(当時)から移管。同じく福島県伊達市で行っている東日本地域の個人向けPCの修理拠点も島根富士通の管轄で運用している。さらに、法人向けPCの修理を行う富士通エフサスとも連携しており、法人向けPCのバッテリー交換を伴う修理やGIGAスクール端末の修理などは、島根富士通が受託する形で行っている。
このように、島根富士通は、生産から修理までのライフサイクル全体を担う拠点へと進化しており、役割はますます重要になっている。
現在、島根富士通の最大生産能力は年間300万台。2020年度には過去最高となる240万台のPCを生産した実績を持っている。
PCの組立ラインは、ノートPCで約20ライン、デスクトップPCで4ラインを擁しており、島根富士通が、出雲大社がある出雲市に立地していることから、この組立ラインで生産したPCを「出雲モデル」と呼ぶこともある。
この連載の記事
-
第606回
ビジネス
テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長 -
第605回
ビジネス
10周年を迎えたVAIO、この数年に直面した「負のスパイラル」とは? -
第604回
ビジネス
秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは? -
第603回
ビジネス
日本マイクロソフトが掲げた3大目標、そして隠されたもう一つの目標とは? -
第602回
ビジネス
ボッシュに全株式売却後の日立「白くまくん」 -
第601回
ビジネス
シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか -
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 - この連載の一覧へ