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佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第220回

Vision ProとAirPods Proの低遅延ロスレス接続、これはいったい何なのか?

2023年09月17日 17時00分更新

文● 佐々木喜洋 編集●ASCII

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 9月12日(米国時間)にアップルは恒例の新製品発表イベントを開催した。予想通りにUSB-C化された「iPhone 15」シリーズが発表されている。

AirPods ProのUSB端子もLightoningからUSB-Cになった。

 過去の記事でもふれたが、LightningがUSB-Cに変わったのは、EU(欧州議会)が決定した法案の影響を受けているからだろう。この法案はスマートフォン本体だけではなく、そのアクセサリーも対象となるため、AirPodsの充電ケースもUSB-C化の対象となる。アップルはUSB-C端子に対応した充電ケースが付属する第2世代「AirPods Pro」も発表、9月22日に発売する。

Vision Proとの組み合わせでロスレス伝送に対応

 面白いのは、アップルのプレスリリースに、WWDC23でアナウンスのあった「Apple Vision Pro」でのロスレスオーディオに対応するという記載があることだ。現行の第2世代AirPods Proが発表される前に、ロスレスオーディオに対応するという噂が広まっていたことをこれで思い出した。それが実のところ真実となったわけだ。

空間ビデオのコンセプトも発表のテーマのひとつだった

 ただし、「Apple Vision Proと組み合わせて」と明記されている点が興味を引く点でもある。

 アップルのリリースによると、このUSB-C対応のAirPods Proは「極めて低いレイテンシでのロスレスオーディオを可能にし、Apple Vision Proとともに完璧な真のワイヤレスソリューションを提供」するとある。ロスレスオーディオの伝送方式については「オーディオのレイテンシを大幅に削減したパワフルな20ビット、48kHzのロスレスオーディオを可能」にする"画期的なワイヤレスオーディオプロトコル"と記載されているだけでその詳細は明らかにされていない。

 それで思い出したのは、光通信を活用した低遅延伝送に関するアップルの特許だ。当時はMRゴーグルと言われていたApple Vision ProとAirPodsで通信を用いて低遅延伝送をする方式について書かれている。

 実現には光送受信機が必要となる。Apple Vision ProやAirPodsが将来的に光受信機を備えるかどうかはわからないので、この光通信方式自体は製品で採用されるかどうかはわからない(USB-C端子付き第二世代AirPods Proでは本体ダストカバー付近の形状が異なると言う報告もあるが詳細は不明だ)。

訂正とお詫び:記事掲載時、表示に不具合が出ていたため、再更新しました。(2023年9月18日)

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