上質なカップヌードルとシーフード、雰囲気が変わったカレー、刺激的なチリトマト:
特上カップヌードル4種類食べ比べ 本当に“特上”と感じたのは?
2023年09月14日 17時00分更新
カップヌードルの定番4種類
「特上」に進化
いきなりですが、趣旨説明。「特上 カップヌードル」シリーズ4種類をすべて食べてみて、どれがもっとも「特上」の名にふさわしいかチェックしてみようという記事です。
1971年9月18日に発売された世界初のカップ麺「カップヌードル」。今なお、インスタントラーメンのNo.1ブランドといっても過言ではありません。
そんなカップヌードルブランドから、いつもよりワンランク上のスープと具材が味わえるという、特上 カップヌードルシリーズが登場。カップヌードルの52回目のバースデーを記念して9月11日から発売されています。52回目というのがちょっと半端ですが。
ラインナップは4種類。「特上 カップヌードル」「特上 カップヌードル カレー」「特上 カップヌードル シーフードヌードル」「特上 カップヌードル チリトマトヌードル」です。
特上 カップヌードル
しょうゆの風味が濃くなった
まずは特上 カップヌードルです。いつもよりワンランク上のスープと具材が味わえる、特上のカップヌードルだとか。「特製トリュフ風味オイル」を加えて仕上げる、コク深く上品な味わいが特長だそう。
味の構成としては「特製トリュフ風味オイル」が決め手だそうです。このオイルだけを1〜2滴ほど味見してみましたが、トリュフの風味もあり、独特のコクもあり、確かに味を左右しそうな感じはします。
また、カップヌードル名物の謎肉(味付豚ミンチ)のサイズも大きくしてあるとのこと。お湯を入れる前の状態を見ると、確かに大きめに見えます。めちゃくちゃデカいわけではないんですが、大きいというのはわかる、というぐらい。
お湯を入れて3分。オイルを入れて完成です。うーん、見た目としてはいつものカップヌードルと同じ路線に見えますよね。
実のところ、かなり、いつものカップヌードルなんですね。もちろん、トリュフ風味オイルの香りや風味が変化を加えていることはわかります。
ただ、具材も(ほぼ)同じですし、スープの味わいの構成がいつも通りなので、「ちょっと変わっている」という塩梅なのです。
そうはいっても、しょうゆ味のスープそのものは、通常よりも濃い。そこにオイルを入れることで、より“どっしり”した飲みごたえになっているのは見逃せないところ。
具材の謎肉はというと……大きいといえば大きいのですが、全体の雰囲気を変えるほどではないんですよね。エビやたまごの量と比べると、「大きい」というより「肉の部分が増えた」みたいな印象もあります。
日清食品のねらいはわかります。いつものカップヌードルのバランスを崩さないようにしつつ、「スープも具材も特上」とうたうように、上質な感じを与えようとしたのでしょう。
ちょっと濃いめで、香りや味わいの深みが増しつつも、もともとのカップヌードルの雰囲気はそのまま。確かに、“特上”という感じではありましょうか。
特上 カップヌードル カレー
一気に“欧風”へと変身
特上 カップヌードル カレーは、ビーフのうまみとバターのコク、風味豊かなスパイスをきかせた濃厚なカレースープと、ホクホクとした食感の皮付きポテトが特長とうたいます。
「特製薫り立つ後かけスパイス」が別添です。カレーって、スパイスをかけるんじゃなくて、スパイスから作るものなんじゃないかという気がしますが。まあ、これはカップヌードルなので、そこを気にしても仕方がないか。
確かに、具材のポテトは大きめに見えます。ちょっとチープな味わいのポテトこそがカップヌードル カレーの愛嬌なのになあ……と思う人もいるかもしれませんが、はたして。
スパイスを振りかけると、確かに香りが立った気がします。もともとスープにとろみがあるので、よくかき混ぜないといけません。
味の違いですが、やはりスープに強く出ています。通常のカップヌードル カレーはタマネギがすこし効いたシンプルな味わいが特徴ですが、これは欧風カレーに近いというか、コクが深いのですね。ビーフのうまみとバターのコク、あります。
麺はおそらく通常のカップヌードル カレーのもの(カップヌードルよりやや太い)とほぼ変わらないと思います。もしかすると原材料などで細かな違いが出ているのかもしれませんが、少なくとも麺を単体で食べてわかるものではない。
スパイスは、辛さを増すというよりは、香りをプラスした感じでしょうか。もともとのスープの味わいが、通常のカップヌードル カレーとは雰囲気が異なるだけに、スパイスを加えることでより“別物”になった印象です。
具材のポテトは、大きさというより食感がいつもと違う感じです。小さな違いですが、より歯ごたえがあるように思いますね。
通常と趣が異なるという点では、4つの中で一番かもしれません。「カップヌードル カレーでしかない」と言いたくなるようなテイストの通常版に対し、どっしりとしたビーフとバターのコクで勝負するカップヌードルにモデルチェンジ。
「カップヌードル カレーの進化版」というより、「新登場、カップヌードル 欧風カレー」といった味作りになっています。
特上 カップヌードル シーフードヌードル
エビの香りがスープに溶け込む
続いては、特上 カップヌードル シーフードヌードル。シーフードのうまみが詰まった濃厚でまろやかな白湯スープが特長とのこと。さらに、エビが具材として入ったこともポイント。
見ての通り、別添のオイルなどはありません。なので、スープを飲んで判断してみるしかないのかも。ただ、パッケージでうたっている通り、エビの存在感はありますよね。冷静に考えると、エビってシーフードの代表格みたいなものですよ。それがシーフードヌードルに入っていて、何が悪いのか。
とはいえ、具材も麺も、通常のシーフードヌードルと同じように見えます(エビは違いますが)。香りも、特に違いはないように思いました。
しかし、飲めばわかりますね。違いがスープに出ています。コクがありますし、口当たりもまろやかではあります。ただ、特上 カップヌードルと同じで、根本的な味のバランスはシーフードヌードルのままなのですよね。ちょっと上質になった感じ、といえばいいのかな。
注目すべきはエビ。具材に入ることで、スープにも影響を及ぼしているように思います。通常よりも濃い風味のスープにエビの香りが加わるため、より華やかな印象になりました。
もっとも、エビが入った代わりにイカが少なくなったことで、通常のシーフードヌードルとはちょっと違った雰囲気もあります。そのあたりは好き好きかなあ。
総合して、「より、シーフード感が強くなった」といえるでしょう。いつものシーフードヌードルと似たテイストとはいえ、確かに“特上”の名を冠してもよいように思いました。
特上 カップヌードル チリトマト
より刺激的な“正当進化”
最後は、特上 カップヌードル チリトマト。酸味と辛みがやみつきになるチリトマトスープが特長で、ピリッとした辛さの「唐辛子謎肉」がスープの辛さに奥行きを与えるとのこと。
「特製ホットチリ風味オイル」も付いています。このオイル、かなり辛めです。カップヌードル チリトマトはもともと辛味がそれほど強くないのですが、このオイルでどうなるのか。
この一杯、いつものものとの違いをかなり感じました。辛さが際立っているので、チリトマト特有の風味がより強くなるというか。
スープ自体が通常のものよりトマトの風味が強いのですが、オイルを加えると、より酸味が強くなるように感じられます。さらにピリッとした辛味も加わるのですから、なかなか刺激的。
いわゆる「激辛」というわけではないのですが、トマトの酸味とオイルの辛味が効いていて、かなりピリピリとしたスープになっています。その分、唐辛子謎肉の刺激はあまり感じない気もしますが。
4種類の中で、「特上」感をもっとも強く感じたのがこれです。味のクオリティーがどうこうというより、「いつものやつが正当に進化した!」という印象が強いのです。チリトマトというより「チリチリトマトトマト」という感じ。……わかりにくいですかね?
パワーアップしていると感じたのは「チリトマト」
いつもと違うテイストを楽しみたいなら「カレー」
4種類、それぞれの特上を味わってきました。
もともとの味わいはそのままに、より個性が際立っていたと感じたのはチリトマトですね。ピリッとした刺激とトマトの風味、どちらもパワーアップしています。もっとも“特上”という感じを受けました。
それと比べると、カップヌードルとシーフードヌードルは「バージョン違い」くらいの差になるでしょうか。もちろん、良くなっているところもあるのですが、「いつものやつでも満足できちゃうなあ」と思うところもあり。マイナーアップデート的な……。
もっとも雰囲気が異なると感じたのは、カレー。通常のものは“カレー”というものの、かなりオリジナルの個性を持っていましたが、特上ではいわば“欧風”に変身。カップヌードルシリーズらしさを保ちながら、いつもとは一味違う……というイメージは、カレーがもっとも強いかも。
4種類に共通していえるのは、もともとの味の組み立てを活かしながら、ちょっとリッチな感じに進化させていることです。看板メニューの名を背負っている以上、半端なことはできないぞ……という日清食品の意地を感じました。
モーダル小嶋
1986年生まれ。「アスキーグルメ」担当だが、それ以外も担当することがそれなりにある。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。よろしくお願い申し上げます。
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