Samsung 990 PROの4TBモデルは速度も容量も最高峰、PS5最強の増設SSDだ
Samsungは、これまでPCIe 4.0対応では最速レベルのNVMe SSD「Samsung SSD 990 PRO」(以下、990 PRO)が昨年末に発売され、それをPS5へ装着するためのヒートシンクが取り付けられた「Samsung SSD 990 PRO with Heatsink」(以下、990 PROヒートシンクモデル)が今年6月に発売された。それぞれ1TB、2TBのみだったが、10月に4TBモデルが発売される予定だ。
PlayStation 5(以下、PS5)の拡張スロットに装着できる最大容量が4TBなので、速度的にも容量的にも最高峰となる本モデル。さっそくその実力をチェックしてみた。
読み込み最大7450MB/秒のハイパフォーマンス
まずは、990 PROシリーズについて簡単に紹介していこう。このモデルは昨年末に発売され、シーケンシャルリードがPCIe 4.0の最大である8000MB/秒に迫る7450MB/秒を実現した製品だ。ただ、これだけ高速となると、動作させる環境によってこの数値に届かないこともある。それでも7000MB/秒は優に超え、PCIe 4.0のNVMe SSDとしては最速レベルとなる。
シーケンシャルライトで最大6900MB/秒と書き込み速度も速く、ランダムアクセスのパフォーマンスも従来モデルの「Samsung SSD 980 PRO」(以下、980 PRO)より40%以上向上したことで、ゲームの読み込み時などで威力を発揮することが期待される。
また、通常はパフォーマンスが高いほど消費電力も高くなるものだが、990 PROは電力効率が高く、980 PROと比較して1Wあたりのパフォーマンスを50%以上向上させている。消費電力が抑えられれば、発熱量も抑えられるため、ハイパフォーマンス発揮する好循環が得られる。
一方、990 PROヒートシンクモデルは、PS5の拡張スロットに装着できるようPCI-SIG D8規格に準拠した薄型仕様のヒートシンクを搭載した製品。上部は屋根型のフォルムをしており、PS5の要件に合わせながら効率的に放熱できるよう設計されている。990 PROをサーマルパッドで挟み込むようにしてヒートシンクと密着させ、熱によるパフォーマンス低下を防いでいる。
それぞれ4TBモデルの想定売価は、990 PROが4万2500円前後。990 PROヒートシンクモデルが4万4000円前後となっており、それなりの価格はするもののM.2接続のスロットは、PS5はもちろんPCのマザーボードにもそう多くは用意されていないため、極力大容量のものを装着するというのは1つの考え方だ。
990 PROヒートシンクモデルはLED搭載で魅せる
990 PROヒートシンクモデルには、ヒートシンク部分にLEDが埋め込まれている。PS5の拡張スロットに装着した場合は見えなくなってしまうが、自作マシンなどに装着すれば“魅せる”ことができる。
デフォルトでは赤色の明滅だが、「Samsung Magician」ソフトウェアを利用すれば、LEDの発色と発光パターンを変更できる。
下記の環境にてストレージベンチマークの定番である「CrystalDiskMark 8.0.4」で計測した。990 PROはマザーボードに備えられているヒートシンクを装着。990 PROヒートシンクモデルは、そのまま装着し設定を「NVMe」にして実行している。
テスト環境 | |
---|---|
CPU | インテル「Core i9-12900KF」 |
マザーボード | MSI「MSI MAG Z690 TOMAHAWK WIFI DDR4」 |
メモリー | DDR4-3200 64GB |
結果は、シーケンシャルリードで公称値には及ばず、990 PROも990 PROヒートシンクモデルも7138MB/秒に留まった。一方シーケンシャルライトは6970MB/秒前後を記録し、公称値を上回っている。
なお、今回の測定環境が「Intel Core i9-12900KF + CrystalDiskMark」なのに対し、Samsungの公称値は「AMD Ryzen 7 5800X + IOmeter」での計測値によるものなので、これは測定環境の違いによるものなので、おおむね近い数値が出ているとみていいだろう。
次にI/Oサイズによって読み書き速度の違いを見る「ATTO Disk Benchmark 4.00.0f2」にて計測した。
結果は、いずれの製品もシーケンシャルライトは64KBあたりから、シーケンシャルリードは512KBあたりから安定した速度を示している。
どちらの結果からも、ヒートシンクの違いによって速度の違いは見られず、990 PROヒートシンクモデルに装着された薄型のヒートシンクでもしっかり放熱していることがわかる。
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